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東日本大震災復旧・復興インデックス ―データが語る被災3県の現状と課題Ⅳ

NIRA研究報告書 2013/07発行

NIRAは、東北の復旧・復興の状況を定量的、客観的に把握するために、「東日本大震災復旧・復興インデックス」 を作成している。すでに、インデックスは5回の更新を行っているが、今回は、2013年3月分までの震災発生から2年間の推移を把握することにした。また、産業基盤・生活関連基盤の回復状況や、生活者の視点に立った復旧・復興の状況を概観した。


■ 研究成果
  エクゼクティブサマリー[PDF(和文)]  [PDF(英文)]
  研究報告書 [PDF]

■ 2011年 9月のデータはこちら
  2011年12月のデータはこちら
  2012年 3月のデータはこちら
  2012年 6月のデータはこちら
  2013年 3月のデータはこちら


1.東日本大震災復旧・復興インデックスでみた被災3県の状況
 本インデックスは、大震災で津波被害を受けた地域(被災37市町村)の復旧・復興の状況及びその推移を把握する次の2本の「指数」からなる。①被災地での生活を支えるインフラなどの復旧度を示す「生活基盤の復旧状況」指数、及び②被災した人々やその地域の生産・消費・流通などの回復状況を示す「人々の活動状況」指数。いずれも、震災直前(2011年2月)の状況を100とした指数である。

●2011年秋以降、生活基盤の復旧は緩やかに進む[PDF版(報告書p.4)
 生活基盤の復旧は、3県とも緩やかに進んでいるが、直近1年間をみると岩手県のテンポはやや緩慢である。瓦礫処理は3県ともに大幅に改善し、人口移動関連の指標も改善傾向にある。他方、教育・医療分野の進捗は依然として鈍い。


●2013年に入り、活動状況は上昇傾向にある[PDF版(報告書p.5)
 震災後、生産活動を中心に回復が進んだが、2012年春以降はほぼ横ばいで推移した。2013年に入ると、岩手県が高い伸びとなり、直近では震災前の水準を上回っている。宮城県は緩やかながら上向いているが、福島県は低い水準で推移している。

(注) データ処理のため、ここでは被災3県と全国を直接比較できないことに注意を要する。


●市町村別では、鉄道復旧と瓦礫処理の進捗が復旧度を左右している[PDF版(報告書p.9)
 被災37市町村の復旧は緩やかながらも着実に進んでいる。鉄道復旧や瓦礫処理が地域の復旧の進捗に影響を与え、その目処がついた岩手県普代村の復旧度は100に達した。岩手県洋野町、宮城県利府町などでも高い復旧度となった。

●福島県の農業・漁業・医療の復興に課題がある[PDF版(報告書p.9)
 岩手・宮城県では、被災した農業経営者・漁業者の多くが事業を再開したが、福島県での再開は低調のままである。医療分野では、岩手・宮城県で医師数が震災前水準に近づいたが、福島県では回復していない。

●応急仮設住宅に高齢者の「一人暮らし」が増えている[PDF版(報告書p.15)
 応急仮設住宅には高齢者の居住割合が多く、「一人暮らし」が増加している。女性にとっては、子育て環境や就労環境が十分に回復していない。高齢者や女性のストレスが大きく、世代間、男女間の健康格差の解消が必要である。


<復旧・復興インデックス検討チームメンバー>
市村英彦 東京大学大学院経済学研究科・公共政策大学院教授
柳川範之 東京大学大学院経済学研究科教授/NIRA 理事
澤田康幸 東京大学大学院経済学研究科教授
梅林浩平 前 岩手県復興局企画課主任企画専門員
神田玲子 前 NIRA 研究調査部長
斉藤徹史 NIRA 研究調査部主任研究員
江川暁夫 NIRA 研究調査部主任研究員
森 直子 NIRA 研究調査部研究コーディネーター・主任研究員


≪関連記事≫
・2013年度「東北圏社会経済白書」(公益財団法人東北活性化研究センター、2014年2月)、pp.45-46に引用
・2013年10月号 地理「連載 仮設住宅のくらし:震災から2年『【第7回】仮説団地の類型-日常生活域と前住地との関係-(岩舟昌起)』」に引用
・2013年9月10日 河北新報の東日本大震災特集で、神田玲子への研究調査部長へのインタビュー記事掲載
・2013年7月26日 中日新聞「特報 高騰の高台 現代の箱舟 大槌の住民『仮設から墓場直行したくなかった』狭い平地、住宅規制・・・地価上昇率10.5% 町職員不足、事業所70%減・・・見えぬ復興」に引用
・2013年6月21日 河北新報「生活復旧指数 宮城90超『震災後2年 産業回復には遅れ』」に引用

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