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まえがき

 総合研究開発機構(NIRA)では、毎年、シンクタンクの基礎情報と当該年度終了の研究成果を収録するとともに、「シンクタンクの動向に関する調査」を行い、『シンクタンクの動向』として公表してきた。これをさらに充実させるべく、今年度は本編を2部構成とした。

 第1部では、「日本のシンクタンクを考える」と題し、有識者3名からそれぞれの視点で、シンクタンクの現状と課題、その期待と役割などについて提言していただいた。

 第2部では、研究者や財政等について例年同じ項目で定点観測を続けている動向調査A、特定課題を設定し行う動向調査Bの各調査結果をもとに、政策研究情報センターで取りまとめた。今年度は、昨年度同様、「公益的な調査研究を行う、政策指向型研究機関で研究の成果を公開している機関」を対象に、当機構の保有するリストの中から390機関に調査を依頼し、337機関より回答をいただいた。このうち、動向調査Aについては288機関(回収率:85.5%)、動向調査Bについては267機関(回収率:79.2%)から回答を得た。

 これら調査の結果をふまえ、今回はとくに(1)公共政策にかかる財政状況やその位置付け、(2)発注者と受託者の関係、(3)研究分野と政策形成とのかかわり、の3つのテーマに絞って集計・分析を行うとともに、若干の考察を試みた。

 なお、上記で触れなかったそれぞれの調査項目の集計結果については、〈資料編〉として取りまとめた。

 第1部において、福川氏は、「シンクタンクとは民主主義社会を健全に運営するために、科学的、学際的な分析手法に基づいて社会の諸事情を解析し、創造的な思考を用いて政策や経営改善の提言を行い、および政策の展開や企業経営を評価する機関」と定義づけ、小池氏は「非政府部門で公共政策にかかわる組織」と広くとらえている。

 また、求められる役割として、福川氏は「政策形成論議の活性化、全体最適選択への貢献、社会の合意形成支援、海外シンクタンクとのネットワーク形成、データバンク・知識バンク・アイデアバンクとしての機能」を挙げ、小池氏は米国にみるシンクタンクの特徴的な機能として「政策提言、人材のプール、オーガナイザー、政策形成・決定過程における監視・評価、幅広い層からの支持」を取り上げた。また、熊倉氏は地方におけるシンクタンクについて、「多様な既存公益団体、地縁組織を再活性化させ、共にその地域にふさわしい市民社会を生み出すコーディネーターとしての期待が高まる」と述べている。

 3者に共通する提言は、「国民の政策形成への参画」である。先行き不透明な日本経済からの脱却を図るためにも、また国際社会から求められている役割と期待にこたえるためにも、よりレベルの高い政策を打ち出せるかが大きなカギとなる。そのためには、柔軟な政策形成システムが必要なのであり、そのシステムの中でシンクタンクが果たすべき役割と期待は大きい。

 本編が、政策形成にかかわるすべての方々のお役に立つことができれば、またシンクタンクの発展に寄与することばできれば幸いである。

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