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I シンクタンクの研究資金源と財政状況について

 依然として先行き不透明な日本経済の状況下で、シンクタンクの財政状況も極めて厳しくなっている。今年度はこうした問題意識をふまえ、シンクタンクの財政状況の実態を把握するとともに、財政確保の面で密接なかかわりをもつ受託研究が全体の8割を占めることについて、シンクタンクはどのように考えているのか、また受託研究の受発注に係る問題点についても併せて明らかにするべく、アンケート調査(動向調査B「シンクタンクの研究資金源と受託研究」)を行った。この結果を元に、各機関からいただいた意見、関連する動向調査Aの集計結果も併せて以下に取りまとめた。

1.財政状況について(有効回答:総事業費 249機関、総収入 257機関)

 総事業費に占める調査研究事業費の割合については、「7割以上」と回答した機関が全体の43.0%(107機関)で、「5割以上7割未満」(19.7%、49機関)と合わせると6割を超えた(図1-1)。

図1-1 総事業費に占める調査研究事業費の割合

 一方、総収入に占める調査研究については、「7割以上」の機関が45.5%(117機関)、「5割以上7割未満」(16.7%、43機関)と合わせるとやはり6割を超える結果となった(図1-2)。

図1-2 総収入に占める調査研究収入の割合

 動向調査Aの結果から、「総収入の内訳」をみると(有効回答:266機関、総収入3158.85億円)、調査研究収入は全体の約4割を占めている。組織形態別に見ると、その割合が高いのは社団法人の56.3%で、営利法人では43.7%、財団法人では33.9%であった。

図1-3 総収入にみる内訳

2.研究資金源について

(1)研究資金の充足度(有効回答:262機関)
 研究資金源の充足度については、「研究資金は不足している」と回答した機関が55.0%(144機関)にのぼり、シンクタンクの財政難をうかがわせる結果となった。組織形態別にみると、財団法人49.1%、社団法人61.5%、営利法人61.4%がそれぞれ「不足している」と回答している。一方、「充足している」と回答した機関は16.0%(42機関)で、組織形態別にみると財団法人21.8%、社団法人15.4%、営利法人10.5%であった(図1-4)(財団法人、社団法人、その他法人は公益法人として集約した。以下同様)。

図1-4 研究資金の充足度

(2)研究資金源の割合(有効回答:256機関)
 研究資金源として、「(1) 自己資金(会費、資産運用益等)」「研究受託収入((2) 国、特殊・認可法人、(3) 地方公共団体、(4) 公益法人、(5) 民間企業等)」「(6) 補助金・助成金」「(7) 研究以外の事業収入」「(8) その他」の項目を設定し、現在の資金源の内訳を調べた。

 「(1) 自己資金」が「ゼロ」と回答した機関は51.2%(131機関)であるが、そのうちの6割強は営利法人であった。一方、「(1) 自己資金」が「5割以上」と回答した機関は10.5%(27機関)で、そのほとんどが公益法人である。

 研究受託収入のうち「(2) 国、特殊・認可法人」について、その割合が「ゼロ」としたのは42.2%(108機関)でうち6割が公益法人、「5割以上」と回答した14.5%(37機関)のうち約8割が公益法人であった。「(3) 地方公共団体」については、その割合が「ゼロ」としたのは35.5%(91機関)、「5割以上」は19.9%(51機関)で、いずれもそのうち7割が公益法人であった。「(4) 公益法人」については、「ゼロ」としたのが44.9%(115機関)でうち7割が公益法人、「5割以上」は5.9%(15機関)でうち6割強が営利法人であった。「(5) 民間企業等」については、「ゼロ」としたのは44.5%(114機関)でうち8割弱が公益法人、「5割以上」は14.8%(38機関)でうち7割強が営利法人であった。

 「(6) 補助金・助成金」については「ゼロ」とした機関が71.9%(184機関)で公益法人と営利法人の割合は半々、「5割以上」は9.0%(23機関)でほとんどが公益法人である。「(7) 研究以外の事業収入」については、「ゼロ」とした機関が77.0%(197機関)で6割が公益法人、「5割以上」が3.9%(10機関)、そのほとんどが営利法人であった。「(8) その他」については、9割以上が「ゼロ」との回答であった。

(3)現在の研究資金源の割合(有効回答:261機関)
 現在の研究資金源の割合については、「満足していない」と回答した機関が62.1%(162機関)で、「満足している」の15.3%(40機関)を大きく上回った。組織形態別にみると、「満足している」は財団法人で20.9%、社団法人で11.5%、営利法人では1割を下回っている。「満足していない」は、財団法人で57.3%、社団法人で73.1%、営利法人で66.4%であった(図1-5)。

図1-5 現在の研究資金源の割合

 研究資金源について、「満足していない」あるいは「どちらともいえない」と回答した221機関に、「今後増やしたい資金源」について設問した(図1-6、複数回答可)。その結果、「(1) 自己資金」を増やしたいとした機関は40.2%(105機関、うち7割強が公益法人)であった。研究受託収入については、「(2) 国、特殊・認可法人」が42.9%(112機関、うち6割が営利法人)、「(3) 地方公共団体」が50.2%(128機関、公益法人と営利法人が半々)、「(4) 公益法人」36.0%(94機関、公益法人と営利法人が半々)、「(5) 民間企業等」31.4%(82機関、公益法人と営利法人が半々)となった。「(6) 補助金・助成金」を増やしたいとした機関は24.1%(63機関、うち6割が公益法人)、「(7) 研究以外の事業収入」については18.0%(47機関、公益法人と営利法人が半々)という結果になった。

図1-6 今後増やしたい研究資金源


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