2006年1月11日実施

〔ケーススタディB〕NPOが切り拓く新たな公共

第9B回 NPOと自治体のパートナーシップ
       −子育て支援のあり方をめぐって
<要約>

奥山千鶴子 特定非営利活動法人びーのびーの理事長

 
奥山千鶴子氏  「おやこの広場びーのびーの」は、乳幼児とその親がいつでも気軽に立ち寄り、自由に過ごせる「もうひとつの家」として、2000年4月に開設された「ひろば型」育児支援施設である。現在、横浜市港北区の菊名と大倉山の2カ所でNPO法人が運営している。スタッフは育児の当事者である親や元利用者が中心だが、NPOの「多様性」や「柔軟性」を生かしつつ、地元商店街・学校・行政との連携で、支え合いながら子育てできるまちづくりに貢献してきた。

 幼稚園児未満の乳幼児に対する公的、社会的支援不足という背景から、「ひろば型」育児支援は急速に広がり、国内の「ひろば」数は02年度から04年度の3年間で約5倍にも増加した。04年4月には「つどいの広場全国連絡協議会」が設立され、同協議会は「ひろば」の理念・運営趣旨の確認、情報共有、調査研究、研修などを実施することで、地域子育て支援の必要性を社会に発信するとともに、量的拡大と質の確保に努めている。「びーのびーの」は、協議会の世話人代表として全国への普及活動に取り組んでいる。

 「びーのびーの」は、行政との協働でもさまざまな試みを進めている。例えば、横浜市の協働モデル事業となった、地域の学校や福祉センターと協力して乳幼児家庭へ学生ボランティアを派遣する「青少年による家庭育児支援・地域ネットワーク事業」。さらに、横浜市「ゆめはまプラン」への政策提言から始まった市域のネットワークである「よこはま一万人子育てフォーラム」への参加。「フォーラム」と市の子育て支援事業本部との協働調査。そのほか、市と「フォーラム」によるシンポジウム共催、市の各種審議会・委員会への参加などである。

 一方で、行政との対等性の維持、活動の広報・PRや、寄付金率のアップなど、課題も山積している。NPOが、さらに必要な市民公益サービスを提供するには、団体の自立性を確保しつつも行政との協働・連携は欠かせない。今後もNPOと行政は事業趣旨を共有し、目的達成のための努力を続けることが重要である。

(文責・田村篤子/受講者)


NIRALogo
トップページ
 
[ 戻 る ]

Copyright (c) National Institute for Research Advancement (NIRA)
Copyright (c) 総合研究開発機構 (NIRA)