2006年1月19日実施

〔ケーススタディA〕構造改革−民と公の挑戦

第10A回 PPPの考え方と応用可能性 <要約>

高橋一浩 日本政策投資銀行金融企画担当審議役

 
高橋一浩氏  PPP(Public Private Partnership:官民連携)とは、もともとは英国・ブレア政権が使った概念。民営化だけではなく民間への業務委託を含め、公共に市場メカニズムの導入を図り公共サービスの効率化を図ろうというものである。民間化の類型にはいくつかあるが、その内の一つである経営委託(コンセッション)方式は、運営委託(サービス購入)方式とは異なり、設備投資まで民間に任せることが特徴である(フランスの水道事業でみられる)。

 PPP推進に当たっては、(1)民間化効果についての説明責任(2)公的関与の要請(3)適切な官民の役割分担(4)透明なプロセス(5)雇用問題への対策――が必要である。

 将来的な論点としては、具体的な事業者の選定プロセスをどうするのか、いかに透明にしていくのかといったことが一つ。事業契約の中身について官民の分担をしっかり構成することが一つ。また、モニタリングを誰に任せるのかといった体制や情報公開への対応、補助金や官民で取り扱いが異なる固定資産税・道路占有料といった制度上の問題の解決が議論の対象となってくる。

(文責・田口 薫/受講者)

*          *          *

第10A回 PFIの現状とその実務 <要約>

清水 博 日本政策投資銀行プロジェクトファイナンス部課長

 
清水 博氏  民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)が公布された平成11(1999)年7月から6年以上が経過し、200件以上の実施方針が策定されている。PFI(民間資金活用による社会資本整備)の対象には、PFI法第2条第1項に示されているように、道路や庁舎をはじめほとんどの公共サービス分野が含まれる。

 PFIの基本原則の一つであるVFM(Value For Money)は、(1)性能発注、長期・一括発注(2)競争原理の活用(3)適切なリスク分担(4)モニタリングによる業績連動支払い(5)プロジェクトファイナンスによる金融機能の活用――などにより、官が担うよりもPFIで官と民で役割分担をした方がよりコストが安くなり、よりサービスがよくなるという考え方である。プロジェクトファイナンスの形態をとることにより、公共サイドとしてはモニタリング、事業の安定性、事業の効率性という点で、事業者サイドには自らコントロール可能なリスクに限定して当該事業参画が可能になるという点でメリットがある。

 今後のPFI市場発展のポイントとしては、公共サイドが前向きに、かつ戦略的にPFIをとらえ、(1)性能発注(2)運営重視(3)大胆かつ適切なリスク移転――といった民間にみられる創意工夫を喚起するような発注形態をとる必要がある。

(文責・田口 薫/受講者)


NIRALogo
トップページ
 
[ 戻 る ]

Copyright (c) National Institute for Research Advancement (NIRA)
Copyright (c) 総合研究開発機構 (NIRA)