2006年2月9日実施

〔ケーススタディB〕NPOが切り拓く新たな公共

第11B回 自治体からみたNPOとのパートナーシップ
       −千葉県市川市「市民活動団体支援制度」の事例
<要約>

五十嵐盛春 市川市市民生活部ボランティア・NPO活動推進課長

 
五十嵐盛春氏  1%支援制度の正式な条例名は「市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例」という。仕組みとしては、(1)市民団体からの活動計画の提案を受け付ける→(2)支援対象団体を公表する→(3)納税者が支援したい団体の選択(投票)を行う→(4)投票を行った納税者の個人市民税の1%相当額を選択した団体へ市が補助金として交付する――ものである。この方法はハンガリーの「パーセント法」を見本に制度化したものである。その背景には、市川市の納税者の8割が給与所得者であり、自らの税の使われ方に対して関心が低いということ、そして、市民ニーズの多様化により行政サービスが限界となっていること、また、団塊の世代が定年を迎える2007年問題への対応などがあった。

 この制度の目的は主に二つある。一つ目は、納税者の意識の高揚である。自らの納税額の一部の使い方を自分で選択できることで、行政への参加を実感してもらい、かつ納税意欲を高める。二つ目は、市民活動への支援・促進・活性化を図り、新たな公共サービスの提供を拡大していくことである。

 2005年度は、1月から支援金の交付を希望する団体の申請受け付けを行った。審査会での審査の結果、対象となる団体は81団体で金額は26,945,170円となった。その後、4月から広報紙特集号の発行やシンポジウムなどで告知を行いながら、約1カ月間、市民(納税者)からの団体選択の届け出を、郵送・インターネット・窓口などで受け付けた。結果として、6,266人分(納税者の約2.9%)の届け出のうち5,557人分が有効届け出となり、81団体に対して11,244,952円の補助金の交付が決定した。また、2,174,008円が基金に積み立てられることとなった。

 初年度であり、制度として未成熟な部分や残された課題もさまざまあるが、市民活動を広く市民にPRできたことだけでも効果があった。最終的には、この制度がきっかけとなって、市民が自分で選んだ団体に直接寄付するなど、市民が直接市民活動を支えるようになるのが一番好ましい。

(文責・山口剛/受講者)


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