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Fifteenth Northeast Asia Economic Forum
第15回北東アジア経済フォーラム 参加報告

フォーラム風景

 2006年9月5日、6日にロシア・ハバロフスク市にて第15回北東アジア経済フォーラム(NEAEF)が開催された。NIRAは、2001年度より実施してきた北東アジアグランドデザイン研究に関連し、このNEAEFに対して2001年より2005年まで一つのセッションを担当するなどの協力をしてきている。今回はこれまでとは異なり、報告を中心とする参加であった。NIRAからは澤井安勇理事および森直子研究員が参加した。また、大島礼研究員が、この会議を挟んで実施された「ヤングリーダーズ研修プログラム」に参加した。会議の概要は、次の通り。

概 要

1.基調講演
 例年通り、趙利済北東アジア経済フォーラム議長の挨拶で始まった会議は、Onoprienkoハバロフスク州議会議長、朴寛用 韓国国会議長、G.Ariyosi前ハワイ州知事、中山太郎 衆議院議員(澤井理事代読)等の各国代表の挨拶に引き続き、A.Levintalハバロフスク州副知事の基調講演があった。今回の会議を通じて中国からの参加者の中で天津市の露出の多さが目を引いたが、この挨拶の中でも同様であった。また基調講演は、北東アジアのエネルギー分野に焦点があてられたので、ここにロシア側の本当の問題関心の在り所がうかがわれた。

2.第1セッション
 続いて第1セッション「北東アジアのエネルギー」で各国からの報告がなされたが、"地域協力"というよりは現在進行しているエネルギー資源取引・交渉の状況報告が中心で、また去年と比較しての目新しい報告は乏しかった。その中で兼清賢介 日本エネルギー経済研究所常務理事の、石油精製能力を中心とした問題提起は斬新な視点であった。

3.第2セッション
 2日目の第2セッションは、NIRAが参加した「北東アジアの交通とグランドデザイン」で、澤井理事とP.Minakirロシア科学アカデミー局長が共同議長を務めた。このセッションでは、森研究員が2001年度から3つのフェーズにわたって実施されたNIRAの北東アジア・グランドデザイン研究の概要と成果を報告し、そうした一連の研究を基盤に2006年度は日・中・韓の共同研究により北東アジア交通・運輸ネットワーク構想の研究へと進展している状況を説明するとともに、各国での意見・立場の違いなどを指摘した。その他、ロシア国鉄の改革による輸送量増強成功事例(Zaichenko氏)、天津市の天津港保税区および天津空港物流加工区の報告(張氏)、北朝鮮・中国・ロシアの鉄道接続をめぐる問題点を中心とした2006年EWC−KOTI会議(米国東西センター、韓国交通研究院の共催、札幌にて開催)からの報告等があった。続いてG.Baasanjav駐越南モンゴル大使、航空輸送専門家の永田氏、李廷旭 前韓国海洋水産開発院院長の3名のコメンテーターが発言を行った。このセッションの報告でも北東アジア全体の地域協力という視点があまりみられず、その中で「グランドデザイン」報告は聴衆の高い関心を引いていた。セッション終了後、NIRAでグランドデザインをまとめた人物として澤井理事にTVおよびラジオの取材があった。

フォーラム風景2 澤井理事ほか

4.第3セッション
 第3セッションは「北東アジア開発銀行」をテーマとして2つの報告とパネル討議が行われた。報告はいずれも北東アジア開発銀行設立の必要性および問題点の総括的説明にとどまり、長年にわたる議論から現実の行動へ踏み出すためのブレイクスルーの難しさが現れていた。ここでも天津市の存在が突出していた。第4セッションは「北東アジアの観光」をテーマに行なわれ、各国・各地の北東アジア地域からの観光客誘致の現状と問題点が報告された。フロアからのコメントにもあったが、"北東アジア地域観光協力"のような視点をもった報告がなく、この分野の議論の今後の展開を期待したい。

5.おわりに
 最後に趙利済議長が「ハバロフスク宣言」の採択を求め、会議を終了した。また、2007年度のNEAEF会議が富山で開催予定であることから、北陸経済連合会からのメッセージが読み上げられた。

 今回のNEAEF会議は、ハバロフスク政府およびロシア科学アカデミーフォーラムが共催団体となっており、参加者は9月7日にはアムール川の視察に招待された。また、今回の会議には、数年ぶりに北朝鮮から2名のオブザーバー参加があったことが注目される点であった。

ハバロフスク風景写真


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