第5回 NIRA大来政策研究賞表彰作の紹介

教育と経済発展
−途上国における貧困削減に向けて−

大塚啓二郎
黒崎  卓
共編著

人的資本を鍵に望ましい政策・制度設計に迫る

[本書の概要]

 現在、途上国における貧困問題のブレイクスルーとして、教育の重要性に関心が集まっているが、それが経済成長、貧困削減に果たす役割や、効果的な政策介入のあり方、制度設計については、未だ研究が不足している。本書はこうした点について、ミクロ経済学に基づく精緻な理論と、フィリピン、パキスタン、ケニア等における丹念なフィールド・サーベイを踏まえつつ実証的な計量経済分析を試みている。
(323ページ、東洋経済新報社 刊)

[選考者評]

 教育開発の経済学の理論的構築とそれに基づく各開発途上地域の精緻な実証研究を通じて、豊富な政策的示唆をもつ結論を導いている。また、本書が対象としている途上国ではデータがそもそも存在していないか整備されていないことが多く、若手を中心とした気鋭の研究者たちがデータの収集と整備にかけた努力は印象的である。近年のミクロ理論、労働経済学、計量経済学の成果を有機的に取り入れつつ、教育の経済学を開発経済学の中心に位置づけ、かつ地域研究の質的レベルの高さをも示した、完成度の高い力作。

[執筆者紹介]

[目 次]

 序 章    
  〈第I部  教育と経済発展〉
 第1章   教育開発の経済学−現状と展望
 第2章   教育と経済的キャッチアップ−日韓米の長期比較
 第3章   教育の役割−技能形成の視点から
 第4章   教育の役割−産業発展の視点から
  〈第II部  貧困と教育投資〉
 第5章   資金制約と教育投資−フィリピン農村の事例
 第6章   エイズと子供の就学率−ケニア農村の事例
 第7章   初等教育におけるコミュニティの役割と学校の質−エルサルバドルの事例
  〈第III部  教育の経済効果〉
 第8章   農業・非農業の生産性と教育−パキスタン農村の事例
 第9章   貧困の動学的変化と教育−パキスタン農村の事例
 第10章   親の教育と子供の教育・技能形成−タイ製造業の事例
 第11章   農村貧困からの脱出と教育−フィリピン農村の事例
 終 章   教育、発展、貧困削減


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