NIRALogo
特別企画 NIRA政策フォーラム
「地域活性化と大学の役割−米国の経験に学ぶ」

フォーラム全体写真

主 催 総合研究開発機構(NIRA)
共 催 内閣府地域再生事業推進室
協 力 まちづくり新聞社
日 時 平成19年3月23日(金)15時30分〜18時00分
会 場 恵比寿ガーデンプレイスタワー4階 SPACE6 D会議室
言 語 レスター教授の講演は英語 -逐次通訳あり その他は日本語

趣 旨

 米国MIT産業パフォーマンスセンター所長リチャード・レスター教授をお迎えし、政策関係者・関連行政職員・NPO関係者他の皆様との意見交換を含めた地域再生のためのフォーラムを開催しました。レスター教授の講演テーマは「地域活性化と大学の役割」であり、日本政府が進める地域再生のための「地域の知の拠点再生プログラム」やそれを実現する一環として内閣府が各地の大学と協力して進めている「地域再生システム論」とも関連の深いものです。
 レスター教授は、最近、地域経済活性化に対する大学の果たす役割を国際比較研究(地域イノベーションシステム)し、地域経済の発展に大学からの技術移転が重要とする常識は神話であること、人材供給・知的活性化の面で地域経済に「パブリックスペース」としての大学の果たす役割が極めて大きいことを明らかにしましたが、今回のフォーラムにおけるレスター教授の講演はまさにその内容についてのものでした。
 また、デミングの組織論、産学連携を含め本テーマに関連する高いご見識をお持ちの日本産学フォーラム事務局長・早稲田大学大学院教授の武田修三郎氏にも、コメンテータとして参加いただき、非常に有意義なフォーラムとなりました。

レスター教授の講演の結論

ポイント
(1)すべての地域がシリコンバレーであるわけではない。
(2)すべての業種がバイオテクとかソフトウェアの業界と似ているわけでもない。
(3)すべての大学がスタンフォードやMITのようであるわけでもない。むしろ、大学によって差別化をする必要がある

新しい考え方
 われわれは次のように考え方を改革しなければならない。
(1)大学発の技術移転指向から、むしろ地元の企業、そして産業によるテクノロジーをいかに吸収するか、適用するかという視点に移行しなければならない。
(2)地元の産業に対する問題解決者としての大学の捉え方から、地元の企業が新しいテクノロジーやマーケットの機会を議論するための「パブリックスペース」としての大学を考えていかなければならない。
(3)知識の泉としての役割から、むしろ地元の企業が集うことができるようなフォーラム、会議の場を提供する役割にシフトしなければならない。
(4)地域をクラスターとして捉える、つまり自立的な産業が集積している地域として捉えるのではなく、むしろ人材、知識、資本のグローバルネットワークとつながっているハブとして捉えなければならない。

結論
 実際的な観点から引き出したいくつか結論。大学の指導者の方たちや地方自治体の方たちに受け入れていただきたい結論として、まず、第一に、大学の経済的な役割の標準的なモデル、つまり特許とかライセンスといった視点からのモデルは狭すぎるということ。大学はローカルなイノベーションのプロセスに対して貢献する多くのいろいろな手段を持っている。第二に、大学が果たすべき経済的な役割について、画一的なアプローチをとることは避けなければいけない。というのは、業種によって大学に果たしてほしい役割は違っているし、また大学も、いろいろな種類の大学が存在しているからである。最後の結論としては、大学はローカルなイノベーションシステムにおいて果たすべき役割に関して戦略的なアプローチをとる必要がある。つまり、大学は自らが行っている取り組みを、地域の経済で実際に起きていることと整合性を持たせなければならない。


[ 議事録(PDF 377KB) | レスター教授説明資料(PDF 3.3MB)]


フォーラム次第

開会のご挨拶 江崎芳雄 NIRA理事

内閣審議官 御園 慎一郎 氏 地域再生への日本政府の取り組み
 内閣審議官(地域再生推進室) 御園 慎一郎 氏
リチャード・レスター MIT教授 講演:リチャード・レスター MIT教授
 「地域活性化と大学の役割」
武田修三郎 日本産学フォーラム事務局長・早稲田大学大学院教授 コメント:武田修三郎 日本産学フォーラム事務局長・早稲田大学大学院教授

質疑

閉会のご挨拶 犬飼重仁 NIRA主席研究員


◇ リチャード・レスター教授略歴
 マサチューセッツ工科大学産業パフォーマンスセンター所長、原子核工学科教授。Ph.D. 1954年生まれ、イノベーション、生産性、産業競争力、大学の地域における役割などが専門。有名な「Made in America」(1989、MIT)を主査として、主要部をまとめた。
 日本語版書籍:「Made in America」(1990、草思社)、「競争力」(2000、生産性出版)、「メイド・イン・チャイナ戦略」(日刊工業新聞社、2003)、「イノベーション」(2006、生産性出版)


NIRALogo
トップページ
 
[ 戻 る ]

Copyright (c) National Institute for Research Advancement (NIRA)
Copyright (c) 総合研究開発機構 (NIRA)