総合研究開発機構(NIRA) : 出版物情報
日中韓直接投資の進展
3国シンクタンクの共同研究


概要開始情報終了情報目次
題 名日中韓直接投資の進展
副 題3国シンクタンクの共同研究
機 関阿部一知 浦田秀次郎 編著、日本経済評論社 刊(NIRAチャレンジ・ブックス)
発 行平成15年12月発行
版 頁四六判・196P
種 別単行本
分 野国際問題(国際経済)、経済(経済一般)
ISBN4-8188-1557-8

【 概 要 】
本書は、NIRAの自主研究である「中国のWTO加盟後における日中韓3国の貿易と投資(第2フェーズ)」の内容を取りまとめたものである。内容は、2001年より始まった日中韓3国研究機関(日本:NIRA、中国:国務院発展研究中心、韓国:対外経済政策研究院)による共同研究の2年目の研究成果と、NIRAに設置された有識者による国内研究会で得られた成果から構成されている。
第1部では、国内研究会での検討で得られた研究成果に基づき、日中韓3国間の直接投資をテーマとして、3国間の経済協力関係の現状と、今後の政策的方向を提示している。
第2部では、2002年11月に開催されたASEAN+3会合における日中韓首脳会合で報告された、共同研究報告書および政策提言を掲載している。
そして第3部では、共同研究の一環として開催された、国際シンポジウムの個別論文を収録している。
本書は、日中韓が貿易と直接投資の関係を深めることで3国すべてが利益を得ることを詳細かつ多面的に検証し、3国が取るべき具体的な政策を提言するものである。

【 研究開始情報 】
本研究は、1999年11月マニラで開催されたASEAN+3会合における日中韓3カ国首脳会議で3国間経済協力の強化に関する共同研究の実施が合意されたことに基づき、中国国務院発展研究中心、韓国対外経済政策研究院およびNIRAの3機関で実施するものである。
本研究の第1フェーズでは、貿易関係の強化および貿易拡大方策を課題とし、昨年11月に政策提言を含めた報告を日中韓首脳会議において行った。第2フェーズでは、主として3国間の直接投資関係の強化を課題とする。
中国の世界貿易機関(WTO)加盟は、中国にとって世界市場へのアクセスの増大の機会となる一方、国内的には世界経済との競争という挑戦を受けるものでもある。他方、韓国、日本から見れば、中国経済とのさらなる相互依存関係の深化がもたらされる。これは一面、国内産業の空洞化を伴う可能性をはらんでいるが、日本企業のアジアへの広域的展開の契機ともなり得るものである。
以上を踏まえ、経済のグローバル化の中で日中韓3国の投資関係の持つ重要性を考え、これまでの投資関係、投資形態の推移と、中国のWTO加盟後の変化方向および3国の経済・産業構造への影響を研究し、3国がとるべき具体的な方策を提言することを目指す。特に日本では、産業空洞化に関する課題についても研究を深める。


【 研究終了情報 】
日本・中国・韓国の3国間経済協力の強化に関する共同研究の第2フェーズに当たる本研究では、3国間の経済協力関係を形成する上での重要課題である地域内の貿易と海外直接投資関係の強化について、中国国務院発展研究中心、韓国対外経済政策研究院およびNIRAの3機関が共同で調査・分析を行い、その研究成果に基づいて2002年11月の3国首脳会談で政策提言を行った。
本研究では、まず主要なテーマとして日中韓3国間の直接投資関係に焦点を当てた。具体的には、これまでの直接投資関係、直接投資形態の推移と、直接投資と貿易の相互関係を統計データに基づき検証した後、これを基に3カ国の直接投資の今後のトレンドについてシナリオを作成し、シミュレーション分析により経済効果の予測を行った。また、直接投資や貿易の増大に伴う国内の産業調整問題として、産業空洞化問題についても調査を実施して最終的な成果に盛り込んだ。同時に、こうした理論的分析を実際に考察するため、各国企業への共同アンケート調査を実施することで、直接投資を行う企業が直面する問題を明らかにし、3国間の直接投資関係強化のためにどのような政策が期待されているかを調査した。
このような研究と検討を経て、3国研究機関は、相互の直接投資の強化にはこの地域のWin-Win-Win(3者が共に利益を得る)戦略が重要であるという共通の認識を得ることができた。3国首脳への共同政策提言では、貿易と投資の円滑化に直結した政策として、貿易と投資に関する情報交換の場とネットワークの構築、投資環境のさらなる改善(投資受け入れ国による検査・許可手続きの簡素化、知的所有権の保護、投資家からの苦情処理体制の改善など)、3国の首脳・大臣会合における合意事項実施のため、合意をフォローアップするメカニズムの強化を掲げた。詳細は、NIRAホームページ(http://www.nira.go.jp/newsj/kanren/110/112/index.html )を参照いただきたい。
なお、NIRAでは、3国共同研究を進めるにあたって、研究の方向付けの検討、共同アンケート調査の企画・分析等を行う国内研究会を設置し、委員は共同シンポジウムに出席するなどにより、連携して研究を進めてきた。
本研究の成果は、既に第3フェーズとして開始された、日中韓の経済協力強化のための長期的ビジョン形成と中期的政策を課題とする共同研究のための基盤となっており、今後の3国の経済協力関係のさらなる進展のための方向を示すものである。


【 目 次 】
はしがき
第I部 中国のWTO加盟後における日中韓3国の貿易と投資
1.日中韓3国の貿易と投資の状況
 (1)現況
 (2)日中韓の貿易の結合強化と補完性の変化
 (3)日中韓3国間の対外直接投資の傾向と貿易との関係
2.企業の対中展開と空洞化問題
 (1)ヒヤリングによる地域中小製造企業の現況
 (2)空洞化問題の考え方と課題
3.北東アジアにおける直接投資のシナリオ
 (1)直接投資のシナリオ
 (2)FDIの中国に対する経済的影響−モデル・シュミレーション
4.結び一必要な政策的方向
第II部 日中韓3国研究機関共同研究報告
1.3国共同研究の状況
2.共同研究の要約
 (1)海外直接投資の世界的動向,および中日韓間の地域内傾向
 (2)企業へのアンケート調査にみる中日韓間の相互投資の障害
 (3)中日韓の貿易・投資関係
3.共同政策提言
 (1)貿易と投資の円滑化に直結した政策
 (2)より深くかつ長期的な意義を有する政策提言
第III部 日中韓共同研究シンポジウム研究報告
1.北東アジアにおける海外直接投資
 (1)序文
 (2)FDIのグローバルな傾向
 (3)北東アジアにおけるFDIフロー
 (4)中日韓間の域内FDI
 (5)北東アジアにおけるFDIの評価
2.日本と韓国の村中直接投資に関する分析
 (1)日本と韓国の中国向け直接投資の現状
 (2)中国における日本および韓国資本企業の特徴
 (3)日本および韓国資本企業の産業構造と産業分布
 (4)中国のマクロ経済に対する日韓の投資の積極的役割
3.日韓の村中直接投資と3国閉経済協力への含意
 (1)はじめに
 (2)拡大する日韓の対中経済関係
 (3)日韓の対中直接投資比較
 (4)空洞化の懸念なき韓国の対中アプローチ
 (5)日韓の村中投資と今後の日韓中協力への示唆点
4.中国・日本・韓国間の域内直接投資の障壁−企業意識調査による分析
 (1)中国で事業を行っている日韓企業の調査分析
 (2)中国企業が日本・韓国で直面する障壁
 (3)政策提言
5.日本企業の対中直接投資と投資環境評価
 (1)はじめに
 (2)調査の方法と概要
 (3)中国における日本企業の活動
 (4)中国現地法人の実績に対する評価
 (5)中国現地法人における技術と経営の現地化
 (6)各地域の投資環境
 (7)投資環境の変化
 (8)おわりに
6.韓国から中国への海外直接投資に関する分析
 (1)北東アジア3国における海外直接投資
 (2)韓国から中国への直接投資−貿易と立地決定要因の関係



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