政策研究のメソドロジー−戦略と実践

『政策研究のメソドロジー』表紙  本書はNIRA公共政策研究セミナー(NIRAセミナー)をベースに策定されました。NIRAセミナーはポリシーメーカーとしての目を養い、そして国民が政策当事者の立場をとれるようになるために設計されています。一方的に受益するあるいは要求するのみという立場ではなく、受益もするが受益が生まれてくるプロセスを当事者として考えていく、国民がこうした目を持てば、国民個々の政策判断能力が高まり、国民個々の能力が高まれば国会の能力も高まるのです。

 本書は三部構成でなっています。第一部「理論と手法」では方法論をおさえ、第二部「政策の実施主体」ではさまざまな政策アクターについて分析し、第三部「具体的政策」では具体的なケースについて議論しました。「理論と手法」は7人の分担執筆で、この分野の規範論の大家である足立幸男先生が政策研究のあり方を、私(縣公一郎教授)が政策情報について議論しました。そして阿部一知先生と山田治徳先生が分析の手法・技法を説明しています。塚本壽男先生は、独立行政法人の評価制度を策定された方で、政策評価の一般論をまとめています。NPMで著名な大住荘四郎先生が都市・自治体でのこの手法の活用について検討し、最後に鈴木亘先生がこれらの分析の方法を応用した高度な手法を用いて福祉分野を具体例にして解析しました。「政策の実施主体」では、『パブリックガバナンス』をまとめた山本清先生がガバナンスの考え方を詳しく解説し、政策に関わるアクターの全体像を提示しています。続いて自治省出身で国地方関係のスペシャリストの片木淳先生が、国と地方の役割分担について解説しました。澤井安勇NIRA理事が近年注目され能力の向上が期待される市民団体について、中村円NIRA主任研究員が政策研究から出発して政策形成に貢献する視点からシンクタンクについて議論しました。

 「具体的政策」では6つの政策領域を取り上げました。まちづくり(大西隆教授)、環境政策(倉阪秀史助教授)、消費者政策(川本敏氏)、テレコム(大橋秀行氏)、エネルギー(山形浩史氏)、そして自治体の総合計画(一條義治氏)です。大橋秀行氏と山形浩史氏は、霞が関の政策立案中枢にいる現役の課長級の方々です。

 政策研究は非常に多様なものです。一人の人間ではたかだか三つくらいまでしか扱えません。しかし、だからといって他の分野の議論はできないというわけではありません。ある政策領域を自分自身で一つの柱として持っていれば、その柱になっている領域をスケルトンにして他の分野を透してみることができるのです。具体的政策をある程度理解した上で、自分が一番関心を持っている、一番得意な分野と比較すればいいのです。新しい手法もその中から浮かび上がってきます。本書で解説した6分野をある程度理解すれば、自分なりの政策研究のものの見方ができるようになるでしょう。政策研究の横断的な枠組みを自分なりに作れば、それを土台に別の分野のケーススタディが可能になります。われわれが本書を作った意図はまさにそこにあるのです。

縣 公一郎・早稲田大学教授(編者)による紹介


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