第3回国際ワークショップ報告
中央アジアにおける日独協力
−新たなシルクロード再興に向けて

 本書は昨年10月に東京で開催された、NIRA、ベルリン日独センターおよびコンラート・アデナウア財団の共催による国際ワークショップ「中央アジアにおける日独協力――新たなシルクロード再興に向けて」の報告書である。

 本ワークショップでは、域内外交流のシンボルとしてシルクロード再興を掲げ、中央アジア地域の安定、発展を実現する上で、中央アジアの地域協力の推進が不可欠であるとの現状を踏まえつつ、中央アジア諸国が抱える諸課題を解決していく上で日独をはじめとする国際社会がどのような役割を果たせるかについて活発な議論を行った。

 本書はそうした議論の概要を紹介するとともに、中央アジア、ドイツ、日本の参加者による多彩な論文が収録されている。本書が浮き彫りにするのは、独立後、多様性と独自性を強めた国造りを進めてきた中央アジア諸国が、水資源問題をはじめとする環境問題、民主化という政治的変動など共通の課題に直面する中で、新たな地域協力のあり方が模索されていることである。またその一方で、ソ連崩壊後、旧ソ連時代の制度を含めた文化的遺産が薄れていく中で、各国の抱える課題が浮き彫りになるとともに、独立後新たに設定された国境線の下で相互交流が逆に少なくなるなど、地域協力を推進する上での新たな困難に直面していることが明らかになった。アラル海・シル川をめぐる環境問題の深刻さ、上海協力機構をめぐる中ロの動きを含め、独立後の中央アジア各国の状況を伝える貴重な一冊となっている。

目次:

発刊にあたって
エグゼキュティブ・サマリー
議長サマリー
歓迎挨拶
基調講演 中央ユーラシア史から見た中央アジア

セッション1 経済協力と環境問題―水資源から見た現状と課題
 1.中央アジアにおける統合的水資源管理の確立に向けて
 2.中央アジアの水資源と土地利用
 3.アラル・シル川流域――現在のアラル海に関する主要問題
 4.発展目標の達成と地域経済協力関係

セッション2 地域協力に向けての地域機構の現状と課題
 1.旧ソ連中央アジアの地域協力
 2.上海協力機構に見る地域協力の展望
 3.中央アジアにおける政治文化の民主化と地域機構の役割

セッション3 文化的・人的交流の促進の現状と課題
 1.中央ユーラシアの文化的特徴とそれが安全保障および発展に与える影響
 2.JICAの技術協力の現状と今後の方向性について
 3.新たなシルクロード―変革から統合に向けた地域の挑戦

『第3回国際ワークショップ報告 中央アジアにおける日独協力』表紙画像

   NIRA 編/刊
   2006年3月31日発行
   A5判・142ページ
   ISBN4-7955-4431-X
   1,050円(税込)

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