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| 対談シリーズ第53回 | 2010/4発行 | |
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| 黒田東彦(アジア開発銀行総裁)、伊藤元重(NIRA理事長) | ||
金融危機後のアジア地域
伊藤 政府が「東アジア共同体」構想を打ち出しています。そこで今日は、黒田総裁にアジアの金融、
通貨についてお話いただきたいと思います。はじめに、世界的な金融危機の後、アジアで通貨危機は起きませんでしたが、
その後の展開をどのようにご覧になっていますか。
黒田 今回の金融危機は、アジアにはさほど大きな影響を与えませんでした。大きな理由の1つは、
今回の金融危機が、銀行セクターというより、シャドー・バンキング・システムで起きたことです。
商業銀行が金融セクターの主たる担い手であるアジア諸国は、危機の影響を直接受けることはありませんでした。<続く>
議論のポイント
● 東アジア域内の経済統合を進めるためには、為替協力が重要になる。為替の安定化には、各国ごとに異なる為替制度を調和させ、
協調していかなければならない。そのためには、既存のASEAN+3 の財務大臣会議の枠組みを改編し、
議論の場に中央銀行総裁が参加できるようにすることが大切である。
● また、ASEAN を中心としたFTA を通じて貿易自由化を促進することも有効だろう。ただし、
東アジア全域での自由貿易を実現するためには、日・中・韓が自由貿易協定締結に踏み切る必要がある。経済協調のためには、
域内の国内規制を調和させることも必要不可欠である。
● 日本の高い環境技術をアジアに輸出することは、日本とアジアの双方にとってメリットがあるので、
日本企業は積極的に環境技術を売り込んでいく必要がある。一方で、
このような技術移転がビジネスとして成立するような仕組みも考えられなければならない。
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