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| 対談シリーズ第54回 | 2010/4発行 | |
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| 田中明彦(東京大学大学院情報学環・東洋文化研究所 教授/ 理事・副学長)、伊藤元重(NIRA理事長) | ||
東アジアの「機会」と「課題」
伊藤 NIRA では、これからアジアのことを考えようということで、
この対談シリーズでもアジアの問題について専門家の方々にお話を伺っています。
いま、新政権が「東アジア共同体」ということを言っていますが、ここで改めて、
アジアと日本の関係について考えてみる必要があると思います。それには、当然のことながら、
日米関係や中国との距離感も考えなければなりません。いま日本にとってアジアとの関係で一番大きな課題、あるいは好機とは何でしょうか。
田中 大きな観点からいうと、アジアは日本にとって非常に大きな機会であると同時に、
ある種の難問でもあると思います。20 世紀後半から現在にかけての趨勢から見て、アジアは、
経済的にいえば世界の中心の一つになることはほとんど確実ですね。<続く>
議論のポイント
● アジアは今後、「世界の成長センター」になることが確実であり、日本にとっては大きな「機会」である。一方、
この地域が抱えている政治的、安全保障的不安定要因にどう対応していくかが日本の「課題」となる。
● 今後の日本の東アジアにおける外交戦略の要点は、二者択一的な行動ではなく、APEC、ASEAN、ASEAN+3、ASEAN+6、
「日中韓」などの複数の枠組みを活用して、望ましい方向に地域を動かしていくことである。特に、いま「日中韓」は大切な枠組みである。
● 東アジア全体の安定性を保つためにアメリカのプレゼンスは欠かせない。
日本はアメリカがアジアにおけるプレゼンスを維持できるよう行動すべきである。日米の同盟関係はその意味でも重要である。
● 中国の経済規模は今後さらに拡大するにしても、世界で支配的なヘゲモニーを取るところまでは達しないだろう。他方、
中国の政治体制が長期的に支払うコストは大きく、極端に走ることのないよう、徐々に変化していくことが望まれる。
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