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NIRAオピニオンペーパー

二重の政治的疎外をいかに乗り越えるか―中間層の不安定化、本流の喪失―

NIRAオピニオンペーパーNo.32 2017/08発行
谷口将紀(NIRA総合研究開発機構理事/東京大学教授)

 イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領就任を始めとして、先進各国では既成政治に対する否定的な動きが相次いでいる。こうした現象の奥底には、中間層の不安定化と政治本流の喪失といった「二重の政治的疎外」が潜んでいる。第4次産業革命とグローバル化により、中間層は職を奪われる不安や経済的ストレスにさらされている。政治においても、既成政治批判やメイン・ストリームの空洞化が進行している。こうした出来事は、課題先進国とも言える日本にとっても対岸の火事ではない。
 では二重の政治的疎外にどのような処方箋が書けるだろうか。中間層の不安定化に対しては、新しい日本社会の主人公としての中核層を提唱したい。従来の中間層が所得や職業を物差しとしていたのに対し、中核層は、人生や社会に対する意識の高さや政治・社会的機能に基準を置いている。政治本流の喪失に対しては、政党政治を立て直し、政党本位の政治を目指す必要がある。抜本的な2院制改革や、諸外国の投票制度を参考にしながら、国会を「熟議の府」としての性格を強める制度にする策などが検討の 俎上 そじょう に載せられるだろう。中核層と政党政治の立て直しという「日本型・2回路制民主政治」が今の日本には求められている。

○世界的に進行する中間層の不安定化
○絶えざる既成政治批判とメイン・ストリームの空洞化
○日本における「二重の政治的疎外」
○「中核層」の育成―公共を人びとの手に取り戻す
○既成政治批判からどう脱却するか

<関連研究>
民主政治と市場経済に関する研究(Ⅳ) (2017年3月~2018年2月)
民主政治と市場経済に関する研究(Ⅱ) (2014年10月~2016年9月)

<関連頁>
hints―課題「解決」先進国をめざせ―
課題「解決」型デモクラシーのガバナンス―政労使協議という実験― (NIRAオピニオンペーパーNo.24)
課題「解決」先進国をめざせ-先進各国から日本が学ぶべきこと- (NIRAオピニオンペーパーNo.22)
中核層の時代に向けて (NIRAオピニオンペーパーNo.12)
「中核層」軸に信頼社会築け―財政再建・負担増の先に― (NIRAオピニオンペーパーNo.10)

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