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NIRA研究報告書 | 2008/10発行 | |
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総合研究開発機構 発行 |
■ 概 要
現在の統計制度は、戦後の混乱した日本経済を立て直し国民生活の安定を確保するための基礎資料を得るために形成されたものであり、
昨今のグローバリゼーションが進展した複雑な社会経済を描くには適切なデザインであるとはいえない。国際比較が不可能な統計も数多くある。
時代から取り残されつつある現在の統計体系を見直すには、多様なアクターが参加した場での議論が有効だ。
本報告書では、統計利用者の立場から、新たな時代にふさわしい統計のあり方について検討を重ね、研究会としての意見をとりまとめ、
提言を行った。
統計改革の基本的方針としては、1. 政策課題に対応するために必要な統計の作成に優先的に人や資金を投入できるようにすること、
2.統計データを広く一般に公開し、部外者による統計の利用を促進すること、 3.統計の国際比較可能性を原則すること、
4.地方分権化を見据えた統計体系を整備することを、提案したい。加えて、
統計の質に関して定期的に評価を行う外部評価制度を導入するとともに、加工統計の民間委託も検討するべきだろう。
■ 目 次
I. 総論
統計改革への提言―
「専門知と経験知の共有化」を目指して―II
II. 各論
経済統計をどのように再構築するか―
JIPデータベースの作成の経験をもとに 宮川 努
景気関連統計(加工統計)
の現状と課題 飯塚信夫
景気関連統計(一次統計)
の現状と課題 永濱利廣
労働関連政府統計の有効利用へ向けての課題 川口大司
グローバル化の進展とデータ整備の問題点 乾 友彦
社会保障関係の統計における課題 鈴木 亘
III. 資料
市場分析専門家の立場から見た経済統計に関するアンケート
2008年10月発行、A4判・165ページ 、ISBN978-4-7955-8448-8 C3030
■ 執筆者一覧
宮川 努 学習院大学経済学部教授(座長)
飯塚信夫 社団法人日本経済研究センター研究統括部主任研究員
永濱利廣 株式会社第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト
川口大司 一橋大学経済学部准教授
乾 友彦 日本大学経済学部教授
鈴木 亘 学習院大学経済学部准教授
<報告書関連対談>
「統計改革へ向けて―
統計ユーザーの視点から」
ゲスト:宮川 努学習院大学経済学部教授 聞き手:
伊藤元重NIRA理事長
<報告書関連新聞記事>
・2008年11月 4日(火) 日本経済新聞に掲載
・2008年12月 6日(金) 産経新聞の伊藤元重
(NIRA理事長)執筆記事で紹介
・2008年12月12日(金) 日刊工業新聞に掲載