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NIRA総研 第4回テレワークに関する就業者実態調査報告書

NIRA研究報告書 2021/06発行

■概要
 慶應義塾大学経済学部大久保敏弘研究室、(公財)NIRA総合研究開発機構では、「第4回テレワークに関する就業者実態調査」を実施した。本調査は、新型コロナウイルスの感染拡大による、全国の就業者の働き方、生活、意識の変化や、業務への影響等に関する実態を把握することを目的としたものである(実施日は4月10日~25日)。
 調査結果の一部を挙げると以下のとおり。

  • 第1部のテレワーク利用率については、2021年4月1週目時点の全国の就業者のテレワーク利用率は16%(東京圏 27%)となった。2020年6月以降は、ほぼ同水準で推移している。

  • テレワーク利用率は産業、所得階層などで大きく異なる。2021年4月時点の産業間や所得階層間のテレワーク利用率の格差は、新型コロナウイルス感染拡大前の2020年1月よりも拡大している。

  • 出社頻度は、緊急事態宣言が出されると低下し、解除されると増加する傾向がある。2021年4月時点で、出社頻度が週5日以上の割合は64%、週2~4日が28%、週1日以下が7%となった。

  • テレワーク利用者の利用頻度は、第1回目の緊急事態宣言が明けた2020年6月をピークに2020年9月で下がった後、緩やかに増加している。2021年4月1週目で、テレワークの頻度が週5以上の割合は23%、週2~4日が56%、週1日以下が20%となった。労働時間に占めるテレワーク時間の割合は、コロナ禍でテレワークを利用し始めた人よりも、コロナ禍前からテレワークを利用し始めた人の方が大きい。

  • ICTツールの活用状況は、2020年6月から2021年4月にかけて、少しずつ伸びているが、大幅な増加はみられない。2020年6月時点と比べると、コミュニケーションを円滑化するためのICTツールの活用が少し伸びた。コロナ禍における仕事の効率性が通常勤務と変わらない場合を100とした場合、テレワーク利用者のうち、ICTツールを利用していない人の仕事の効率性の平均は82であり、利用している人の88よりも低い。

  • テレワークの利用場所として多いのは、自宅の書斎・自身の部屋(69%)や書斎・自身の部屋以外の自宅のスペース(28%)である。こうした自宅の場所を利用できない人の仕事の効率性の平均は65と、自宅の部屋を利用できる人の90前後よりも、大幅に下がる。

  • 第2部の仕事や生活に関わる変化では、新型コロナウイルス感染拡大前と比べて世帯支出を減らした項目は、外食費や交際費、趣味・娯楽・レジャーであった。所得階層が低いほど預貯金を減らした人が多い傾向もみられた。

  • PCR検査を受けた人の割合は14%、Go To トラベル、Go To Eat、対面での会食・飲み会は30%程度、オンラインでの会食・飲み会は15%であった。所得階層が高いほど利用頻度が高く、政策の恩恵を受ける傾向がみられた。

  • 特別定額給付金を除く個人への経済的支援を申請した人の割合は10%と多くはない。自身の所属する企業が何らかの経営支援策を利用したと答えた人は19%であり、小規模な企業や、飲食・宿泊業での利用が多い。

  • メンタルヘルスは、2020年3月から2021年4月にかけて、全体に改善傾向がみられた。性別よりも年齢階層による違いが大きく、40代以下の人は50代以上の人に比べて、悪い状態にある。

  • 2021年末の新型コロナウイルスの感染や影響に対する人々の予想は、ワクチン接種の進展を除いて全般的に悲観的だった。感染状況、変異種の流行状況、医療状況、経済状況といった国全体の経済社会状況に対し悲観視する人が多い傾向がみられた。

    ■目次
    I. 調査結果
    第1部 テレワーク
    1.テレワーク利用率
    2.テレワークの利用頻度と時間
    3.テレワーク利用者の仕事の効率の変化
    4.テレワークの利用場所
    5.ICTツールの活用状況
    6.新型コロナウイルス終息後のテレワークの利用希望
    7.新型コロナウイルスの感染拡大後の組織内外の経営リソース活用の変化

    第2部 仕事や生活に関わる変化
    8.仕事や生活に関わる変化
    9.コロナ禍における行動
    10.新型コロナウイルスの感染拡大後の意識の変化
    11.経済的支援・経営支援策の活用状況
    12.メンタルヘルス
    13.新型コロナウイルスの感染や影響の予測
    14.政府の政策に対する賛否
    15.企業の社会的責任(CSR)

    参考文献
    II. 調査概要
    参考資料

    ■調査概要
    調査方法:インターネット調査(スクリーニング調査・本調査)。回収目標数を10,000サンプルとして、第1回~3回調査参加者に配信し、回収した。 1
    調査対象:第1回~第3回調査の回答者(15,569サンプル)
    回収数:9,796件、うち、第3回調査参加者からの回答8,795件(継続回答率:10,523サンプルの84%)、第1回または第2回調査参加者で第3回調査不参加者からの回答1,001件(継続回答率:5,046サンプルの20%)。
    調査期間:2021年4月10日(土)~4月25日(日)
    調査票:ご要望に応じて提供可

    ■研究体制
    大久保 敏弘   慶応義塾大学経済学部教授/NIRA総研 上席研究員
    加藤 究     フューチャー株式会社 シニアアーキテクト/NIRA総研 上席研究員
    神田 玲子    NIRA総研理事・研究調査部長
    井上 敦     NIRA総研研究コーディネーター・研究員
    関島 梢恵    NIRA総研研究コーディネーター・研究員
    安藤 航平    慶應義塾大学経済学研究科修士課程在籍


    <関連頁>
    感染症対策か経済対策か―国民はコロナ対策の現状をどう考えているのか?―」(オピニオンペーパーNo.56)
    コロナショックが加速させる格差拡大―所得格差とデジタル格差の「負の連鎖」―」(オピニオンペーパーNo.53)
    テレワークを感染症対策では終わらせない―就業者実態調査から見える困難と矛盾―」(オピニオンペーパーNo.47)
    第4回テレワークに関する就業者実態調査(速報)
    第3回テレワークに関する就業者実態調査報告書
    第3回テレワークに関する就業者実態調査(速報)
    第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書
    第2回テレワークに関する就業者実態調査(速報)
    第1回テレワークに関する就業者実態調査報告書『新型コロナウイルスの感染拡大がテレワークを活用した働き方、生活・意識などに及ぼす影響に関するアンケート調査』に関する報告書
    第1回テレワークに関する就業者実態調査(速報)『新型コロナウイルスの感染拡大がテレワークを活用した働き方、生活・意識などに及ぼす影響に関するアンケート調査』

    1 第1回調査では、全国の15歳以上の就業者を母集団とし、株式会社日経リサーチの提携モニターを対象にスクリーニング調査を実施し、就業者に該当する者のみが回答した。2019年度の総務省『労働力調査』の結果に基づき、性別、年齢(6区分)、地域(5区分)に応じて割り付け、回収目標数の10,000 サンプルとなるよう調査を実施した。第2回、第3回調査も同様にスクリーニング調査、割付を行ったうえで調査を実施した。

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