伊藤元重
総合研究開発機構理事長

新宅純二郎
東京大学大学院経済学研究科准教授・同ものづくり経営研究センター研究ディレクター

妹尾堅一郎
東京大学特任教授(知的資産経営)/NPO法人産学連携推進機構理事長

中馬宏之
一橋大学イノベーション研究センター教授

長谷川康司
首都高速道路株式会社前代表取締役会長

 政策レビューNo.47  2010.07

成長戦略としてのアジア

概要

 アジア全域で中間所得層の数が急増し、急成長を続けるアジア市場は、日本経済にとっても大きなチャンスであり、成長戦略の要である。しかし現状では、半導体、液晶パネルなどのエレクトロニクス分野を中心に、日本が強い競争力を誇っていた製品の世界市場におけるシェアは、急落している。日本が競争力を失った原因はどこにあるのか。いま、求められる対応は何か。アジア市場の変化を踏まえ、議論する。

■問題提起
 成長戦略としてのアジア
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.グローバリゼーションにおける日本企業のものづくり戦略
 新宅純二郎 東京大学大学院経済学研究科准教授・同ものづくり経営研究センター研究ディレクター

 2.新興国と共闘するビジネスモデル―日本の技術力を活かす道筋を検討する―
 妹尾堅一郎 東京大学特任教授(知的資産経営)/NPO法人産学連携推進機構理事長

 3.日本の研究開発で求められる戦略とは?
 中馬宏之 一橋大学イノベーション研究センター教授

 4.東アジアとの連携を視野に入れた産業人材の育成―アジアでの経験から―
 長谷川康司 首都高速道路株式会社前代表取締役会長

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新編著『日本の医療は変えられる』NIRA編、(2009年12月)東洋経済新報社。

新宅純二郎(しんたく じゅんじろう)
1958年生。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。学習院大学経済学部助教授、東京大学大学院経済学研究科助教授を経て現職。国際ビジネス学会常任理事。NPO法人グローバルビジネスリサーチセンター常任理事。(社)モバイル・コンテンツ・フォーラム顧問。主著に『ものづくりの国際経営戦略−アジアの産業地理学』(2009年)、有斐閣ほか多数。

妹尾堅一郎(せのお けんいちろう)
東京大学特任教授(知的資産経営)、NPO法人産学連携推進機構理事長、コンピュータ利用教育学会会長。内閣知財戦略本部「知的財産による競争力・国際標準化専門調査会」会長、経済産業省「産業構造審議会競争力委員会」委員、他。主著に『技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか』(2009)、ダイヤモンド社ほか。

中馬宏之(ちゅうま ひろゆき)
一橋大学卒、ニューヨーク州立大学Ph.D.。南イリノイ大学、東京都立大学、一橋大学(経済学部)を経て1999年より現職。現在、総合科学技術会議・専門委員。最近の研究テーマは、半導体産業の経済分析。主著に『もの造りの技能』(2001、共著)、東洋経済新報社など。

長谷川康司(はせがわ こうじ)
1964年東京外国語大学外国語学部卒業、トヨタ自動車販売株式会社入社。トヨタ自動車株式会社アジア部部長、専務取締役、トヨフジ海運株式会社取締役社長等を経て、2005年10月〜10年6月首都高速道路株式会社代表取締役会長。

ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構
※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp