大久保敏弘
慶應義塾大学経済学部教授/NIRA総合研究開発機構上席研究員
NIRA総合研究開発機構

概要

 慶應義塾大学経済学部大久保敏弘研究室および(公財)NIRA総合研究開発機構は、「第3回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(注1)」を実施した。本調査は、ポストコロナ期におけるデジタル技術の社会実装の進展状況、ならびにデジタル技術が就業者の働き方、生活、意識にもたらす変化を把握することを目的としている。調査は202582日(土)から同年825日(月)にかけて実施した。回収数は10,502件であり、うち前回以前からの継続回答は7,762件である。
 速報結果は以下のとおりである。なお、本速報のグラフ中の数値は小数点以下を四捨五入しているため、構成比の合計が100%にならない場合や、本文中の数値と一致しない場合がある。

INDEX

ポイント

●テレワーク:2025年7月時点の全国の利用率は14%と、2024年12月比でやや上昇した。東京圏でも同様の傾向がみられ22%であった。

●生成AI:月1回以上、仕事で生成AIを利用している就業者は22%まで拡大した(2023年10月時点で12%)。生成AIの利用で仕事の効率向上を実感した人の割合は78%であり、うち「30%以上の効率向上」は12%に上昇した(2023年10月時点で5%)。

●政策の賛否:賛成の割合が比較的高いのは、「異常気象対策・地球温暖化防止対策」(43%)、「働き方改革」(40%)であった。一方、「移民の受け入れ促進」は反対の割合が28%と、賛成の15%を上回った。

●国際関係の認識:「日本に脅威を与える」との回答は、トランプ氏で55%、中国で65%、ロシアで63%となり、「利益をもたらす」との回答(それぞれ9%、5%、6%)を大きく上回った。トランプ氏が大統領就任前の2024年12月時点と比べて、トランプ氏を脅威とみる割合は増加した。

●日米経済合意(2025年7月):日本経済にとって「良い」は9%に対し、「悪い」は37%で、否定的な見方が相対的に多い。今後の追加関税措置があった場合の対応は、「強く対抗すべき」(24%)と「合意順守を交渉すべき」(22%)が拮抗している。

●環境規制:異常気象・災害対応として「経済活動への環境規制を強化すべき」(34%)が、「環境規制を撤廃すべき」(12%)を上回り、規制強化を支持する見方が相対的に多い。

●企業の社会的責任(CSR):回答者が所属する企業、組織で重視している割合が高い取り組みは、「ワークライフバランスのとれた職場環境」(41%)、「女性の雇用・活用」(37%)が挙げられる。これらは、2021年4月からの増加幅も相対的に大きい。

●投票先を決める際に重視した情報源:2025年7月の参議院選挙では、伝統的メディア(テレビ、新聞・雑誌など)重視は63%、オンラインメディア(ネットニュースやSNSなど)重視は41%であった。2024年10月の衆院選と比べて、前者はやや低下、後者は増加した。

●投票時に重視した政策:2025年7月の参議院選挙では、物価高騰対策が最上位、次いで雇用や年金、米・農業となり、足元の生活に直結するの課題を優先する傾向がみられた。

図表

図1 全国および東京圏のテレワーク利用率の推移
図1-1 居住地域別にみたテレワーク利用率の推移
図1-2-1 産業別にみたテレワーク利用率の推移
図1-2-2 産業別(抜粋)にみたテレワーク利用率の推移(詳細)
図1-3-1 職業別にみたテレワーク利用率の推移
図1-3-2 職業別にみたテレワーク利用率の推移(詳細)
図1-4 過去3か月に災害、交通障害、家庭の事情が生じた時のテレワーク利用率
図2-1 通常の職場で勤務している人の出社頻度の推移
図2-2 テレワーク利用者のテレワーク利用頻度の推移
図3-1 ICTツールの活用状況の推移(テレワーク利用別)
図3-2 目的別にみたICTツールの活用状況の推移(テレワーク利用者)
図4-1 生成AIの利用頻度
図4-2 生成AIを定期的に仕事で利用している人の用途
図4-3 生成AI利用者の仕事効率の変化
図5 政策への賛否
図6-1 トランプ氏、中国、ロシアへの認識
図6-2 国際間の企業買収、国際間の製造拠点の立地、貿易政策(関税政策)、消費行動に関する認識
図6-3 外国人観光客、外国人労働者、不動産購入に関する意識
図6-4 環境規制、日米経済合意、人口減少対策、憲法9条改正に関する意識
図7 職場や所属している会社・経営組織のCSR
表8-1 参議院議員選挙における比例代表の党派別得票率
図8-2-1 比例投票先を決める際に重視した情報源
図8-2-2 比例投票先を決める際に重視したメディア
表8-3 比例投票先を決める際に重視した政策

Ⅰ 調査結果

1.テレワーク利用率の推移

Q1あなたは以下の時期に通常業務でテレワークを利用していましたか。(それぞれひとつずつ)

(1)2025
75週目(727日~82日)

 全国のテレワーク利用率の推移(注2)は、最初の緊急事態宣言が発出された20204月から5月に25%まで大幅に上昇したが、同年6月の宣言解除後には17%へ急速に低下した。その後は202212月まで横ばいで推移し、20233月には13%まで低下した。以降は概ね安定的に推移したが、直近ではやや上昇し、20257月時点で14%となった(図1(注3)。東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)のテレワーク利用率(居住地に基づく集計)も全国と同様の動きを示し、20257月時点で22%であった。

図1 全国および東京圏のテレワーク利用率の推移

図1 全国および東京圏のテレワーク利用率の推移

全国(2020年1~3月:n=10,516、4~6月:n=12,138、9~12月:n=10,523、2021年1~4月:n=9,796、7~9月:n=10,644、12月~2022年1月:n=10,113、3月~5月:n=10,595、8月~12月:n=9,804、2023年3月:n=9,779、4月~10月:n=10,726、2024年5月:n=10,670、12月:n=9,193)東京圏(2020年1~3月:n=3,467、4~6月:n=4,049、9~12月:n=3,514、2021年1~4月:n=3,261、7~9月:n=3,539、12月~2022年1月:n=3,333、3月~5月:n=3,477、8月~12月:n=3,277、2023年3月:n=3,201、4月~10月:n=3,550、2024年5月:n=3,597、12月:n=3,104、2025年7月:n=3,457)
(注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。

1.1.居住地域別にみたテレワーク利用率の推移

 居住地域別にみると、東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、京阪神(京都府、大阪府、兵庫県)、その他の地域のいずれの地域でも、20233月に低下した後は概ね横ばいで推移し、直近(20257月)ではやや上昇している(図1-1)。

図1-1 居住地域別にみたテレワーク利用率の推移

図1-1 居住地域別にみたテレワーク利用率の推移

(注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。

1.2.産業別にみたテレワーク利用率の推移

 産業別にみると、20257月時点でテレワーク利用率が相対的に高いのは、「情報サービス・調査業」「通信情報業」「金融・保険業」「製造業」である(図1-2-1)。一方、テレワーク利用率が低い産業は、「運輸業」「飲食業・宿泊業」「医療・福祉」である。

 時系列でみると、直近のテレワーク利用率は202412月時点と比べて、「農業・漁業・林業・水産業」が大きく上昇し、「電気・ガス・水道・熱供給業」および「金融・保険業」はやや低下している(図1-2-2)。

図1-2-1 産業別にみたテレワーク利用率の推移

図1-2-1 産業別にみたテレワーク利用率の推移

(注)nは2024年12月時点のサンプルサイズを示している。

図1-2-2 産業別(抜粋)にみたテレワーク利用率の推移(詳細)

図1-2-2 産業別(抜粋)にみたテレワーク利用率の推移(詳細)

(注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。

1.3.職業別にみたテレワーク利用率の推移

 職業別にみると(注4)20257月時点でテレワーク利用率が相対的に高いのは「管理的職業」「専門的・技術的職業」「事務」である(図1-3-1)。一方、テレワーク利用率が低いのは「その他の職業」「サービス職業」「販売」である。

 時系列でみると、直近(20257月)のテレワーク利用率は202412月時点と比べて、「販売」を除き、やや上昇している(図1-3-2)。

図1-3-2 職業別にみたテレワーク利用率の推移(詳細)

図1-3-2 職業別にみたテレワーク利用率の推移(詳細)

(注)緊急事態宣言は東京都に発令されていた期間を示している。

1.4.悪天候・災害、交通障害、家庭の事情によるテレワーク利用率

 2025年7月時点の悪天候・災害、交通障害、家庭の事情が生じた際のテレワーク利用率は、いずれも10%前後にとどまり、当該要因によるテレワークの利用は限定的であることがわかる(図1-4)。なお、これらのテレワーク利用率は天候や災害の発生頻度などにも左右されるため、時点間の単純比較には留意が必要である。

2.通常の職場での勤務とテレワーク勤務の頻度の推移

Q2あなたは以下の時期に、通常の職場に出勤しての勤務とテレワーク勤務を、どのぐらいの頻度で行いましたか。なお「通常の職場に出勤しての業務」には「自営業など通常の職場と自宅が同じ場合」も含みます。

(1)202575週目(727日~82日)

 通常の職場で勤務している人(テレワーク利用者を含む)の出社頻度の推移をみると、20257月は202412月時点と比べて、「週5日以上」の割合が低下し、「週1日以下」の割合が上昇した(図2-1)。

 テレワーク利用者におけるテレワーク利用頻度の推移をみると、20257月は202412月時点と比べて、「週5日以上」および「週1日以下」の割合が上昇した(図2-2)。

3.ICTツールの活用状況

Q4.2025年7月5週目(7月27日~8月2日)で、あなたは、通常の職場に出勤しての勤務やテレワークで、以下のどのICTツールを利用していましたか。なお「通常の職場に出勤しての業務」には「自営業など通常の職場と自宅が同じ場合」も含みます。(いくつでも)

<コミュニケーションの円滑化>

1.テレビ会議・Web会議(Zoom、Skype、Teamsなど)
2.チャットやSNSによる社内情報共有(Slack、LINEなど)

<共同作業の円滑化>
3.ファイル共有・共同作業(Dropbox、OneDriveなど)
4.リモートアクセス(SWANStor、Platform V Systemなど)
5.タスク・プロジェクト管理(Trello、Backlogなど)

<業務管理>
6.電子決裁(ジョブカンワークフロー、Create!Webフローなど)
7.勤怠管理、グループウェア(Office365、サイボウズなど)
8.従業員のメンタルヘルスチェック(jinjerワーク・バイタル、音声こころ分析サービスなど)
9.営業管理(Sales Cloud、kintoneなど)
10.生産管理・販売管理・在庫管理(楽商、アラジンオフィスなど)
11.採用管理(HRMOS採用、ジョブカン採用管理など)
12.人事管理(SmartHR、OBIC7など)
13.会計管理(弥生会計、SuperStream-NXなど)

<オフィス・現場の自動化>
14.RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)(WinActor、Robotic Crowdなど)
15.バーチャルオフィス(Sococo、Remoなど)
16.非接触型テクノロジー(自動運転ロボット、無人レジなど)
17.自動翻訳(Google翻訳、DeepL翻訳など)
18.BIツール(Tableau、Googleデータポータルなど)
19.画像認識・画像解析ツール(Amazon Rekognition、Face APIなど)

<その他>
20.上記のうち利用しているものはない・わからない

 本調査で提示したICTツール群のうち少なくとも1つ利用している人の割合(「ICT利用率」以下同)を、テレワーク利用の有無別にみると、テレワーク利用者のICT利用率は顕著に高い(図3-1)(注5)(注6)

 テレワーク利用者のICT利用率の推移は、概ね横ばいで、2025年7月時点で81%である。

 テレワークを利用していない人についても、職場のデジタル化やテレワーク利用者とのコミュニケーションのためにICTツールが有用であり、一定程度の利用がみられる。推移をみると、2023年3月以降は緩やかに上昇し、2025年7月時点で30%である。

 テレワーク利用者のICT利用率をツールの目的別にみると、コミュニケーションツールの利用率が最も高く、次いで共同作業ツール、業務管理ツールが続く(図3-2)。直近(2025年7月)は2024年12月時点と比べてやや低下している。一方、オフィス・現場の自動化ツールの利用率は、2020年6月時点では5%と極めて低かったが、2023年10月以降は20%前後で推移している。

4.生成AIの活用状況

Q5仕事で生成AI(例:ChatGPTGeminiClaudeなど)を利用したことがありますか。利用したことがある場合は、およその利用頻度をお答えください。(ひとつだけ)

Q6仕事で生成AI(例:ChatGPTGeminiClaudeなど)をどのようなことに利用しましたか。生成AIを利用したことがない人は、仕事で利用するとなった場合に、実際に使いそうなことをお選びください。(あてはまるものすべて)

Q7生成AIを利用すると、利用しない場合と比べて、時間あたりの仕事のパフォーマンス(仕事の効率)はどのように変化したと思いますか。生成AIを利用したことがない人は、仕事で利用するとなった場合のことを想定してお答えください。

 2025年7月時点の生成AIの利用状況をみると、定期的に仕事で利用している人(「ほぼ毎日利用している」「週に1回程度利用している」「2週間に1回程度利用している」「月に1回程度利用している」の合計、以下同)は22%である。一度でも利用経験がある者まで含めると32%となる(図4-1)。このうち、ほぼ毎日の利用は6%、週1回程度は8%である。202310月以降、仕事での生成AI利用者は着実に増加している。

 定期的に仕事で利用している人に限定して用途をみると、「情報収集・検索」「文章生成」「文章要約」「文章校正・編集」の利用が多い(図4-2)。一方、「クリエイティブなコンテンツ制作」「行動や計画に関する提案」「営業・カスタマーサポート」「セキュリティ対策」「人的管理」「プロジェクト管理補助」は利用が少なく、いずれも10%未満である。202412月時点と比べて、特に情報収集・検索での利用が増加している。

 さらに、定期的に仕事で利用している人に限定して仕事効率の変化をみると、「効率向上」が78%、「変わらない」が20%、「効率悪化」が2%である(図4-3)。202412月時点と比べると、「効率向上」の割合自体に大きな変化はないが、「30%以上の効率向上」と回答した割合は10%から12%へと上昇している。

5.政策への賛否

Q11国民全体にとって、政府が以下の取組を進めることに賛成ですか、反対ですか。(それぞれひとつずつ)

1.Eコマース・デジタル決済の推進

2.人工知能(AI)、ビッグデータ活用の推進
3.生成AI(例:ChatGPT)の開発・利用規制(例:開発における透明性確保の義務、利用における個人情報へのアクセス制限、著作権を侵害するコンテンツの除去など)
4.自由貿易の推進
5.自動運転の推進
6.異常気象対策、地球温暖化防止対策
7.原子力発電の維持・拡大の推進
8.移民の受け入れ促進
9.防衛力・軍事力の増強
10.ワークライフバランスや男女共同参画・女性活躍推進などの働き方改革

 2025年7月時点では、「移民の受け入れ促進」を除くすべての政策で、賛成(「賛成」「やや賛成」の合計)の割合が、反対(「反対」「やや反対」の合計)を上回った(図5)。ただし、いずれの政策も賛成の割合が50%を超えることはなかった。比較的賛成の割合が高いのは、「異常気象対策・地球温暖化防止対策」(43%)、「働き方改革」(40%)である。一方、「移民の受け入れ促進」は反対の割合が28%と、賛成の割合の15%を上回った。

 時系列でみると、自動運転を除くデジタル化に関する政策(Eコマース・デジタル決済、AI・ビッグデータ活用、生成AIの開発・利用規制)はこれまで賛成の割合が低下傾向にあったが、2024年12月から2025年7月にかけてはやや上昇した。「自由貿易の推進」および「防衛力・軍事力の増強」に対する賛成の割合も2024年12月時点からやや上昇している。一方、「異常気象・地球温暖化対策」「原子力発電の維持・拡大の推進」「移民の受け入れ促進」は、2024年12月時点から変化は見られない。

6.国際関係と日本経済に対する認識

Q12.以下の点について、あなたのお考えはAとBのどちらに近いでしょうか。(それぞれひとつずつ)

(1)ドナルド・トランプ氏(次期米大統領)は日本に…
 A:脅威を与える B:利益をもたらす

(2)中国は日本に…
 A:脅威を与える B:利益をもたらす

(3)ロシアは日本に…
 A:脅威を与える B:利益をもたらす

(4)ドナルド・トランプ氏(次期米大統領)に…
 A:親しみを感じる B:親しみを感じない

(5)中国に…
 A:親しみを感じる B:親しみを感じない

(6)ロシアに…
 A:親しみを感じる B:親しみを感じない

(7)日本企業が外国企業に買収されることは、日本経済にとって…
 A:良いことだ B:悪いことだ

(8)日本企業が外国企業を買収することは、日本経済にとって…
 A:良いことだ B:悪いことだ

(9)外国企業が日本に製造拠点をつくることは、日本経済にとって…
 A:良いことだ B:悪いことだ

(10)日本企業が海外に製造拠点をつくることは、日本経済にとって…
 A:良いことだ B:悪いことだ

(11)外国人観光客の増加は、日本経済にとって…
 A:良いことだ B:悪いことだ

(12)輸入品への関税は…
 A:国内産業を守るために引き上げるべきだ B:消費者の負担を軽減するために引き下げるべきだ

(13)外国人労働者の雇用は…
 A:日本人の雇用を守るために減らすべきだ B:人手不足を解消するために増やすべきだ

(14)日本の不動産や資産を外国人が購入することは…
 A:制限されるべきだ B:自由であるべきだ

(15)海外産品よりも国産品を積極的に買うことは、日本経済を…
 A:良くする B:悪くする

(16)頻発する異常気象や自然災害、およびこれによる不作・不漁の解決のためには…
 A:経済活動への環境規制を強化すべきだ B:環境規制は効果がないので、撤廃すべきだ

(17)2025年7月に発表された日米経済合意(自動車関税15%、相互関税15%、コメ総輸入枠内で米国産割合を拡大、最大5500億ドル(約80兆円)の対米投資を含む)は、日本経済にとって…
 A:良いことだ B:悪いことだ

(18)今後、米国が日本製品に対する関税をさらに引き上げる措置を取った場合、日本は…
 A:報復関税などの措置で強く対抗すべきだ
 B:報復措置は避け、日米合意を順守するよう交渉すべきだ

(19)日本の人口減少対策としてより有効なのは…
 A:外国人労働者や移民の受け入れを積極的に増やすことだ
 B:外国人に頼らず、AIやロボットなどの開発・活用を進めデジタル化を加速させ生産性をあげることだ

(20)現行の憲法9条(戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認)は…
 A:改正すべきだ
 B:維持すべきだ

 本調査では、国際関係に対する意識を尋ねた。まず、ドナルド・トランプ氏、中国、ロシアの日本に対する影響について「脅威を与える」か「利益をもたらす」かを尋ねたところ、いずれの対象でも「脅威を与える」が多数であり、割合は55%、65%、63%であった(図6-1)。「利益をもたらす」は9%、5%、6%にとどまる。とりわけ中国およびロシアへの脅威の認識は、トランプ氏に比して高い。

 次に、親近感については、いずれの対象でも「親しみを感じない」が多数で、割合はトランプ氏、中国、ロシアの順で51%、63%、64%であった。中国およびロシアに対して親しみを感じない割合は、トランプ氏より高い。一方、「親しみを感じる」は10%、7%、6%である。

 さらに、時系列でみると、トランプ氏が大統領就任前の2024年12月時点と比べて、2025年7月には「トランプ氏は日本に脅威を与える」との回答割合が増加し、「トランプ氏に親しみを感じない」との回答割合は低下している。

図6-1 トランプ氏、中国、ロシアへの認識

図6-1 トランプ氏、中国、ロシアへの認識

(注)2025年7月時点ではトランプ氏は大統領在任中、2024年12月時点では大統領就任前。

 本調査では、国際的な企業買収、製造拠点の立地、貿易政策(関税)、消費行動に関する意識を尋ねた。

 回答全体を概観すると、いずれの項目でも「どちらともいえない」の割合が50%前後と高く、多くの人が判断を留保しているか、あるいは判断が難しいと感じていることがうかがえる(図6-2)。

 その上で個別項目をみると、まず国際的な企業買収に関しては、「(7)日本企業が外国企業に買収されること」について、日本経済にとって「悪いことだ」とする割合が50%で、「良いことだ」の6%を大きく上回った。他方、「(8)日本企業が外国企業を買収すること」については、「良いことだ」が27%で「悪いことだ」の13%を上回った。この結果から、日本企業による外国企業の買収には肯定的な意見が多い一方で、外国企業による日本企業の買収に対しては否定的な意見が強いことがわかる。

 次に、製造拠点の立地については、「(9)外国企業が日本に製造拠点をつくること」に対して「良いことだ」が28%で「悪いことだ」の18%を上回った。また、「(10)日本企業が海外に製造拠点をつくること」についても「良いことだ」が26%で「悪いことだ」の16%を上回った。「(12)輸入品への関税」に関しては、「国内産業を守るために引き上げるべきだ」が16%で、「消費者の負担を軽減するために引き下げるべきだ」の24%を下回り、消費者負担の軽減を重視する見方がやや優勢である。消費行動に関しては、「(15)海外産品よりも国産品を積極的に買うこと」について、日本経済を「良くする」が46%で「悪くする」の9%を大きく上回った。

 時系列でみると、202412月時点と比べると、20257月は「(9)外国企業が日本に製造拠点をつくること」に賛成する割合はやや低下した一方、「(12)輸入品への関税」について「消費者の負担を軽減するために引き下げるべきだ」とする割合がやや上昇している。

 本調査では、外国人観光客の増加、外国人労働者の雇用、外国人による日本の不動産・資産の購入に関する意識についても尋ねた。

 回答全体を概観すると、外国人観光客の増加および外国人労働者の雇用では、「どちらともいえない」の割合が高く、いずれも50%前後に達している。一方、外国人による日本の不動産・資産の購入では39%にとどまり、相対的に中立的な意見の人が少ない(図6-3)。

 その上で個別項目をみると、まず、「(11)外国人観光客の増加」については、日本経済にとって「良いことだ」とする割合が36%で、「悪いことだ」の19%を上回った。インバウンド需要拡大による経済効果への期待がうかがえる一方、「悪いことだ」とする回答も一定数みられ、観光地の混雑等、いわゆるオーバーツーリズムへの懸念が背景にあると考えられる。次に、「(13)外国人労働者の雇用」については、「日本人の雇用を守るために減らすべきだ」とする回答は25%、「人手不足を解消するために増やすべきだ」とする回答は24%で、両者は拮抗している。さらに、「(14)日本の不動産や資産を外国人が購入すること」については、「制限されるべきだ」とする回答は49%、「自由であるべきだ」とする回答は12%で、外国人による土地・資産取得に対して反対の姿勢が根強い。

 時系列でみると、202412月時点と比べて、20257月には、「(14)日本の不動産や資産を外国人が購入すること」について「制限されるべきだ」と考える人の割合が顕著に増加しており、とりわけ「Aに近い」と強く制限を求める人の割合が5%ポイント上昇している。

 本調査では、環境規制、日米経済合意、人口減少対策、憲法9条の改正に関する意識についても尋ねた。

 回答全体を概観すると、いずれの設問でも「どちらともいえない」の割合が高く、全体として50%前後に達している点に留意が必要である(図6-4)。

 その上で個別項目をみると、まず「(16)頻発する異常気象や自然災害、およびこれによる不作・不漁の解決」に関しては、「経済活動への環境規制を強化すべき」が34%で、「環境規制は効果がないので撤廃すべきだ」の12%を上回り、規制強化を支持する見方が相対的に多い。

 「(17)日米経済合意」は、日本経済にとって「良いことだ」が9%に対し、「悪いことだ」が37%で、否定的な見方が相対的に多い。「(18)今後、米国が日本製品に対する関税をさらに引き上げる措置を取った場合」の日本の対応としては、「強く対抗すべき」(24%)と「日米合意を順守するよう交渉すべき」(22%)で拮抗している。

 「(19)人口減少対策」では、「外国人労働者や移民の受け入れを積極的に増やすこと」が12%、「デジタル化を加速させて生産性を上げること」が35%で、後者を重視する見方が相対的に多い。

 最後に「(20)憲法9条」については、「改正すべき」(26%)と「維持すべき」(25%)で、拮抗している。

7.企業の社会的責任(CSR)

Q10.あなたの職場や所属している会社・経営組織は、次のことを重視していますか。(それぞれひとつずつ)
※複数の職場や組織で勤務している場合には、主な職場や組織についてお答えください。
※自営業の方についてはあなたの仕事の状況についてお答えください。

1.ワークライフバランスのとれた職場環境
2.女性の雇用・活用
3.障碍者の雇用・活用
4.高齢者の雇用・活用
5.外国人の雇用・活用
6.兼業・副業などの多様な働き方の実現
7.従業員の職能開発
8.社会貢献活動
9.リサイクル、省エネ、節電、温室効果ガス削減など
10.災害時の事業継続強化

 本調査では、職場におけるCSRの取り組み状況についても調べた。

 重視している割合(「とても重視している」「やや重視している」の合計、以下同)が高い項目としては、「ワークライフバランスのとれた職場環境」(41%)や「女性の雇用・活用」(37%)が挙げられ、働き方改革の文脈で引き続き優先度が高いことがうかがえる(図7)。ただし、「どちらともいえない」が50%弱、重視していない割合(「まったく重視していない」と「あまり重視していない」の合計、以下同)も20%弱みられることから、企業間で取り組みの進度にばらつきがあることがうかがえる。

 一方、重視している割合が相対的に低い項目は、「兼業・副業などの多様な働き方の実現」(18%)や「外国人の雇用・活用」(16%)である。

 時系列でみると、2021年4月時点と比べて、いずれの項目も重視している割合が増加しており、総じてCSRの取り組みは進展している。ととりわけ「ワーク・ライフ・バランスのとれた職場環境」および「女性の雇用・活用」では増加幅が相対的に大きく、重視していない割合は低下している。他方、「障害者の雇用・活用」や「外国人の雇用・活用」では、「重視している」「重視していない」の双方がやや増加しており、中立層の縮小、すなわちこれらの取り組みの二極化の可能性が示唆される。

8.投票行動

Q34.2025年7月20日に投票が行われた参議院選挙の「比例代表」では、どの政党に投票しましたか。(1つだけ〇)
また、投票した場合は、何から得た情報を重視して投票しましたか。また、何の政策を重視して投票しましたか(複数選択可)。

A.投票先(1つだけ〇)

 1.自民党
 2.公明党
 3.立憲民主党
 4.日本維新の会
 5.国民民主党
 6.共産党
 7.れいわ新選組
 8.参政党
 9.社会民主党
 10.日本保守党
 11.NHK党
 12.再生の道
 13.チームみらい
 14.その他の政党
 15.無効票、白票を投じた
 16.今回は投票しなかった

※投票した場合(A≠16)のみ回答
B.比例投票先を決める際に重視した情報

 1.テレビ
 2.新聞・雑誌
 3.政党や候補者の公式ホームページ
 4.ネットニュースや記事、ブログなど
 5.政策マッチングサービス(新聞社、放送メディア等のボートマッチ)
 6.YouTube
 7.X(旧Twitter)
 8.その他SNS(Instagram、Facebook、TikTok、LINEなど)
 9.候補者や政党の演説やイベント
 10.街頭ポスターやチラシ、選挙公報
 11.知人や家族からの意見・推薦
 12.その他(具体的に:________)

※投票した場合(A≠16)のみ回答
C.比例投票先を決める際に重視した政策(※順位をつけて最大5個まで、順番はランダム表示)

 1.物価高騰対策(消費税の引き下げ、給付金、インフレ抑制など)
 2.雇用政策・賃上げ・働き方改革
 3.医療・年金・介護など社会保障政策
 4.少子化・人口減少への対応
 5.外国人政策(移民や外国人労働者受け入れなど)
 6.関税対策・貿易政策(輸出入規制、国際貿易摩擦への対応など)
 7.米・農業・食料安全保障
 8.エネルギー政策(原子力・再生可能エネルギー推進など)
 9.経済安全保障(半導体などの重要資源管理など)
 10.ジェンダー平等・夫婦別姓などの社会政策
 11.教育政策(大学無償化、教育費負担軽減など)
 12.財政赤字の解消・財政健全化
 13.株式市場・国債・金融市場
 14.防衛・安全保障政策(国防強化、自衛隊のあり方など)
 15.憲法改正問題
 16.皇位継承問題・皇室典
 17.その他の政策(具体的に:_____)
 18.自分が支持する政党だから
 19.特に重視した政策はない・わからない

 本調査では、2025年7月20日に実施された参議院議員通常選挙の比例代表における投票行動について尋ねた。まず、総務省公表の結果では、同選挙の比例代表の投票率は58.5%である。一方、本調査回答者の投票率は73.4%であった。なお、本調査のサンプルは主として就業者で構成されており、有権者全体とは母集団が異なるため、数値の単純比較は妥当でない点に留意が必要である。

 次に、比例代表の党派別得票率について、総務省の公表結果と本調査結果を比較すると、表8-1(注7)のとおりである。本調査では、総務省の結果に比べて自由民主党および公明党への投票割合がやや低く、立憲民主党、国民民主党、およびその他の政党への投票割合が相対的に高いが、全体としては総務省の結果と概ね近い分布となっている。

 参議院選挙の比例代表に投票した人に限定して、投票先を決める際に重視した情報源をみると、最も多いのはテレビ(49%)である。次いで、ネットニュースや記事、ブログなど、新聞・雑誌が20%台で続く。政党や候補者の公式ホームページ、YouTube、街頭ポスターやチラシ・選挙公報、X、知人や家族からの意見・推薦は1020%程度、候補者や政党の演説やイベント、政策マッチングサービス、その他SNS10%前後~1桁台にとどまる(図8-2)。202410月の衆議院選挙で重視した情報と比較すると、テレビの割合はやや低下し、YouTubeの割合が相対的に増加している。

 さらに、情報源をメディア形態別に、伝統的メディア(テレビ/新聞・雑誌/街頭ポスターやチラシ・選挙公報)と、オンラインメディア(ネットニュースや記事・ブログ/YouTubeX/その他SNS)の2群に集約して比較すると、伝統的メディアを重視した者は63%、オンラインメディアを重視した者は41%であった(図8-2-2)。202410月の衆議院選挙で重視した情報と比べると、伝統的メディア重視はやや低下し、オンラインメディア重視は増加している。なお、本設問は複数回答であるため、両群に計上される回答者が含まれる点に留意されたい。

図8-2-2 比例投票先を決める際に重視したメディア

図8-2-2 比例投票先を決める際に重視したメディア

(注)伝統的メディアには、テレビ、新聞・雑誌、該当ポスターやチラシ、選挙公報が含まれる。オンラインメディアには、ネットニュースや記事、ブログ、YouTube、X、その他SNSが含まれる。

 参議院選挙の比例代表に投票した人に限定し、比例投票先を決める際に重視した政策(優先順位を付して最大5項目まで)をみると、第1順位で最も多かったのは「物価高騰対策」(29%)である。次いで「雇用政策・賃上げ・働き方改革」(9%)が続く(表8-3)。一方、第1~第5順位の合算でみると、「物価高騰対策」(57%)が最上位で、次いで「社会保障政策」(41%)、「雇用政策・賃上げ・働き方改革」(40%)、「米・農業・食糧安全保障」(30%)となる。なお、第1順位で「特に重視した政策はない・わからない」と回答した人は13%であった。

 順位別の分布を詳しくみると、「物価高騰対策」は第1順位の比重が突出し、その後第2、第3順位では漸減する。一方、「雇用政策・賃上げ・働き方改革」や「社会保障政策」は第2順位で比率が相対的に高い。「米・農業・食糧安全保障」は第3~第4順位でピークを示す。これらから、多くの有権者は第1順位に物価高騰対策を置き、第2~第3順位で雇用・年金などの所得面、第4順位付近で米・農業を挙げる傾向がうかがわれ、足元の生活に直結する課題を優先していることが読み取れる。なお、「特に重視した政策はない・わからない」については累積集計であり、各順位の値には当該順位までに同項目を選択した回答が含まれる。

 補足すれば、国会での議論の焦点や政治家の関心と、有権者の優先順位には一定の乖離がある可能性も示唆される。例えば、夫婦別姓や教育(授業料無償化等)は政治的に注目されるテーマであるものの、本調査の優先順位としては相対的に低く、投票行動に直結しにくい側面がみられる。また、有権者は物価・年金といった生活直結の政策を重視する一方、それらを支える中長期の経済・産業・財政政策は優先度が相対的に低くなりやすいことがうかがえる。

表8-3 比例投票先を決める際に重視した政策

表8-3 比例投票先を決める際に重視した政策

(注)表中の「特に重視した政策はない・わからない」は累積集計である(例︓第2順位の数値=第1順位+第2順位の合計。第3順位の数値=第1~第3順位の合計)。その他の政策項目は順位ごとの非累積集計である。n=7,705。

参考文献

Okubo, T. (2022). Telework in the Spread of COVID-19. Information Economics and Policy, 100987.

Ⅱ 調査概要

1.調査の趣旨・目的

 デジタル経済・社会に関する就業者実態調査は、ポストコロナ期におけるデジタル技術の社会実装の進展状況、ならびにデジタル技術が就業者の働き方・生活・意識にもたらす変化を把握することを目的としている。新型コロナ感染拡大の初期から同一就業者を追跡するパネル調査を継続しており、新型コロナ禍からポストコロナ期にかけての変化をより正確に捉えることができる。

 本調査は、20204月・6月・12月、20214月・9月、20222月・5月・12月、20233月・10月の計10回に実施した「テレワークに関する就業者実態調査」および20245月・12月に実施した「デジタル経済・社会に関する就業者実態調査」を継承するものである。就業者の働き方や生活の変化を的確に捉え、災害や感染症の影響下でも1人ひとりが能力を十分に発揮して働ける社会の実現に向けた課題の抽出と検証を可能とするよう設計している。

2.調査名

 第3回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査

3.主な調査項目

・テレワークの利用状況、利用頻度
・生成AIの利用状況と仕事に及ぼす影響
・政策への賛否
・国際情勢と経済政策に対する認識
・ソーシャルアイデンティティ
・経済の不確実性の認識
・参議院選挙(2025年7月実施)での投票行動
・個人の属性等

4.調査期間

 2025年82日(土)~2025825日(月)

5.調査方法

1)実施方法:インターネット調査(スクリーニング調査・本調査)。回収目標数を10,000サンプルとして、過去の調査と同様のスクリーニング調査、割付を行ったうえで、配信し、回収した(注8)
2)調査機関:株式会社クロス・マーケティング
3)調査対象者:調査会社に登録しているインターネット調査登録モニター
4)調査対象:
(ア)テレワークに関する就業者実態調査の第1回から第10回調査の回答者
(イ)デジタル経済・社会に関する就業者実態調査の第1回、第2回調査から参加する就業者

6.回収数

 総数:10,502
 うち前回以前からの継続回答は7,762件。

7.回答者の属性

8.研究体制

大久保敏弘 慶應義塾大学経済学部教授/NIRA総研上席研究員
神田玲子  NIRA総研理事・研究調査部長
井上敦   NIRA総研主任研究員
関島梢恵  NIRA総研主任研究員
鈴木日菜子 NIRA総研研究コーディネーター・研究員

9.外部資金

 本調査研究は科研費科研費(基盤研究B「ポストコロナの世界経済とデジタル経済:国際貿易・空間経済学・災害の経済による分析」研究代表者:大久保敏弘23H00821、挑戦的萌芽研究「AIがもたらす不平等と平等:社会関係資本(ソーシャルキャピタル)による解決」研究代表者:大久保敏弘24K21419)、住友電工グループ社会貢献基金・学術研究助成(研究代表者:大久保敏弘)の補助を受けている。

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
(出典)大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2025)「第3回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」

脚注
1 この調査研究は科研費(基盤研究B「ポストコロナの世界経済とデジタル経済:国際貿易・空間経済学・災害の経済による分析」研究代表者:大久保敏弘23H00821、挑戦的萌芽研究「AIがもたらす不平等と平等:社会関係資本(ソーシャルキャピタル)による解決」研究代表者:大久保敏弘24K21419)」、住友電工グループ社会貢献基金・学術研究助成(研究代表者:大久保敏弘)の補助を受けている。 1 この調査研究は科研費(基盤研究B「ポストコロナの世界経済とデジタル経済:国際貿易・空間経済学・災害の経済による分析」研究代表者:大久保敏弘23H00821、挑戦的萌芽研究「AIがもたらす不平等と平等:社会関係資本(ソーシャルキャピタル)による解決」研究代表者:大久保敏弘24K21419)」、住友電工グループ社会貢献基金・学術研究助成(研究代表者:大久保敏弘)の補助を受けている。
2  本調査での「テレワーク」とは、インターネットやメールなどのICT(情報通信技術)を利用した、場所などにとらわれない柔軟な働き方としている。通常の勤務地(自社および顧客客先、出先など)に行かずに、自宅やサテライトオフィス、カフェ、一般公共施設など、職場以外の場所で一定時間働くことを指す。具体的には、在宅勤務、モバイル勤務、施設利用型勤務などが該当する。ただし、移動交通機関内や外回り、顧客先などでのICT利用は含まない。また、回答者が個人事業者・小規模事業者等の場合には、SOHOや内職副業型(独立自営の度合いの業務が薄いもの)の勤務もテレワークに含まれる。第1回調査の20203月時点では就業している人のみを対象としたが、第211回調査では、継続回答者で失業した人も含まれる。なお、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」や総務省の「通信利用動向調査」におけるテレワークの定義ではICTを利用した普段の勤務地とは別の場所で仕事をすることとしている。同調査では自社の他事業所や顧客先、外回りでの利用、移動中の交通機関、駅構内、空港内でのPCやモバイル端末利用も含まれている。 2  本調査での「テレワーク」とは、インターネットやメールなどのICT(情報通信技術)を利用した、場所などにとらわれない柔軟な働き方としている。通常の勤務地(自社および顧客客先、出先など)に行かずに、自宅やサテライトオフィス、カフェ、一般公共施設など、職場以外の場所で一定時間働くことを指す。具体的には、在宅勤務、モバイル勤務、施設利用型勤務などが該当する。ただし、移動交通機関内や外回り、顧客先などでのICT利用は含まない。また、回答者が個人事業者・小規模事業者等の場合には、SOHOや内職副業型(独立自営の度合いの業務が薄いもの)の勤務もテレワークに含まれる。第1回調査の20203月時点では就業している人のみを対象としたが、第211回調査では、継続回答者で失業した人も含まれる。なお、国土交通省の「テレワーク人口実態調査」や総務省の「通信利用動向調査」におけるテレワークの定義ではICTを利用した普段の勤務地とは別の場所で仕事をすることとしている。同調査では自社の他事業所や顧客先、外回りでの利用、移動中の交通機関、駅構内、空港内でのPCやモバイル端末利用も含まれている。
3 各時期の詳細な結果については、以下の調査報告書を参照されたい。
2020年13月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020「新型コロナウイルスの感染拡大がテレワークを活用した働き方、生活・意識などに及ぼす影響に関するアンケート調査結果に関する報告書」
2020年46月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
2020年912月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021「第3回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
2021年14月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021「第4回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
2021年79月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021「第5回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2021年12月~20221月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022「第6回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2022年3~5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022「第7回テレワークに関する就業者実態調査(速報)-『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む-」
2022年812月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023「第8回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)-『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む-」
2023年3月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023「第9回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2023年410月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023「第10回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2024年5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2024「第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)
2024年12月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2024「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」
3 各時期の詳細な結果については、以下の調査報告書を参照されたい。
2020年13月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020「新型コロナウイルスの感染拡大がテレワークを活用した働き方、生活・意識などに及ぼす影響に関するアンケート調査結果に関する報告書」
2020年46月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2020「第2回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
2020年912月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021「第3回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
2021年14月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021「第4回テレワークに関する就業者実態調査報告書」
2021年79月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2021「第5回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2021年12月~20221月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022「第6回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2022年3~5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2022「第7回テレワークに関する就業者実態調査(速報)-『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む-」
2022年812月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023「第8回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)-『ウクライナ危機をめぐる安全保障に関する意識調査』を含む-」
2023年3月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023「第9回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2023年410月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2023「第10回テレワークに関する就業者実態調査報告(速報)」
2024年5月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2024「第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)
2024年12月:大久保敏弘・NIRA総合研究開発機構(2024「第2回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査(速報)」

4 テレワーク利用の要因分析に関してはOkubo2022)を参照。 4 テレワーク利用の要因分析に関してはOkubo2022)を参照。
5 回答者はあくまで自身の利用状況について回答しており、所属する会社・組織の導入状況を代表するものではない。 5 回答者はあくまで自身の利用状況について回答しており、所属する会社・組織の導入状況を代表するものではない。
6 本調査の選択肢に示したICTツールの区分は、以下のとおりである。
1)コミュニケーションツール:テレビ会議・Web会議、チャットやSNSによる社内情報共有。
2)共同作業ツール:ファイル共有・共同作業、リモートアクセス、タスク・プロジェクト管理。
3)業務管理ツール:電子決裁、勤怠管理、グループウェア、従業員のメンタルヘルスチェック、生産管理・販売管理・在庫管理、営業管理、採用管理、人事管理、会計管理。
4)オフィス・現場の自動化ツール:RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、バーチャルオフィス、非接触型テクノロジー、自動翻訳、BIツール、画像認識・画像解析ツール、生成AI
なお、非接触型テクノロジーは202012月以降の調査、自動翻訳・BIツール・画像認識/画像解析ツールは20219月以降の調査、生成AI20247月の調査で項目を追加した。
6 本調査の選択肢に示したICTツールの区分は、以下のとおりである。
1)コミュニケーションツール:テレビ会議・Web会議、チャットやSNSによる社内情報共有。
2)共同作業ツール:ファイル共有・共同作業、リモートアクセス、タスク・プロジェクト管理。
3)業務管理ツール:電子決裁、勤怠管理、グループウェア、従業員のメンタルヘルスチェック、生産管理・販売管理・在庫管理、営業管理、採用管理、人事管理、会計管理。
4)オフィス・現場の自動化ツール:RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、バーチャルオフィス、非接触型テクノロジー、自動翻訳、BIツール、画像認識・画像解析ツール、生成AI
なお、非接触型テクノロジーは202012月以降の調査、自動翻訳・BIツール・画像認識/画像解析ツールは20219月以降の調査、生成AI20247月の調査で項目を追加した。

7 総務省の公表結果は、「令和7720日執行 参議院議員通常選挙 速報結果」を参照した。 7 総務省の公表結果は、「令和7720日執行 参議院議員通常選挙 速報結果」を参照した。
8 第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査では、全国の15歳以上の就業者を母集団とし、株式会社クロス・マーケティングのモニターを対象にスクリーニング調査を実施し、就業者に該当する者のみが回答した。2023年度の総務省『労働力調査』の結果に基づき、性別、年齢(6区分)、地域(5区分)に応じて割り付け、回収目標数の10,000 サンプルとなるよう調査を実施した。 8 第1回デジタル経済・社会に関する就業者実態調査では、全国の15歳以上の就業者を母集団とし、株式会社クロス・マーケティングのモニターを対象にスクリーニング調査を実施し、就業者に該当する者のみが回答した。2023年度の総務省『労働力調査』の結果に基づき、性別、年齢(6区分)、地域(5区分)に応じて割り付け、回収目標数の10,000 サンプルとなるよう調査を実施した。

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