伊藤元重
総合研究開発機構理事長

竹森俊平
慶應義塾大学経済学部教授

伊藤隆敏
東京大学大学院経済学研究科教授

加藤裕己
総合研究開発機構編集主幹

 政策レビューNo.54  2011.12

ユーロ危機の行方

概要

 2009年以来ユーロ圏では、ギリシャ、アイルランド、ポルトガルで債務危機が生じた。ギリシャ危機は、欧州金融機関の債務超過問題となり、波及の大きさが問題視され、10月末のユーロ加盟国の首脳会議により、包括戦略が決定された。しかし、その後も動揺は収まらず、ギリシャ、イタリアの首相の退陣にまで至り、フランスやスペインの国債金利の上昇も生じている。本号では、ユーロ危機に至った問題の本質および対応策について検討している。

■問題提起
 ユーロ危機の行方
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.ユーロ危機の収束は可能なのか
 竹森俊平 慶應義塾大学経済学部教授

 2.ECBは国債の無制限購入を決断できるか
 伊藤隆敏 東京大学大学院経済学研究科教授

■解説・解題
 ユーロ危機の行方
 加藤裕己 総合研究開発機構編集主幹

伊藤元重(いとう もとしげ)
NIRA理事長。東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。最新著書は『財政再建の道筋』(2011年4月)、総合研究開発機構。

竹森俊平(たけもり しゅんぺい)
1956年東京生まれ。81年慶應義塾大学経済学部卒業、86年同大学院経済学研究科修了。同大学経済学部助手、89年、米国ロチェスター大学経済学博士。97年より現職。主な著書に、『世界経済の謎』(1999年12月)東洋経済新報社、『経済論戦は甦る』(2007年2月)日本経済新聞出版社、『世界デフレは三度来る』上下(2006年4月)講談社、『資本主義は嫌いですか』(2008年9月)日本経済新聞出版社、『経済危機は9つの顔を持つ』(2009年8月)日経BP社、『国策民営の罠』(2011年10月)日本経済新聞出版社等がある。

伊藤隆敏(いとう たかとし)
一橋大学経済学部卒業。ハーバード大学大学院経済学博士課程卒業(Ph.D.)。ミネソタ大学経済学部助教授、同准教授、一橋大学経済研究所助教授、同教授、東京大学先端科学技術センター教授を経て、2004年より現職。近著に、『日本経済の活性化―市場の役割・政府の役割』共編著(2009年)、日本経済新聞出版社ほか。

加藤裕己(かとう ひろみ)
1974年東京大学経済学部卒。経済企画庁入庁。経済社会総合研究所総括政策研究官、内閣府官房審議官(経済財政分析担当)、日本エネルギー経済研究所理事を経て、2006年より東京経済大学経済学部教授、現在にいたる。 2006年より本誌編集主幹。著作に『日本経済読本』(共編著)[2007]、東洋経済新報社等。

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