企画にあたって

職業訓練・リカレント教育の新たな枠組み作りを

「人生100年時代」への対応急げ

柳川範之

NIRA総合研究開発機構理事/東京大学大学院経済学研究科教授

KEYWORDS

人生100年時代、急速な事業環境の変化、スキルアップの重要性、北欧の先行事例、シンガポールの意欲的な取り組み、地域・現場での取り組み

 「人生100年時代」という言葉が、当たり前のように使われるようになり、多くの人が仮に定年まで勤めたとしても、セカンドキャリアとして働くことが求められる時代になっている。また、企業を巡る環境変化は速くなっており、自発的に転職をする人の数も増えているし、他方、働く企業や産業を変えざるを得ない人も増えている。既に、1つの企業でずっと働き続けるのが当たり前、という社会ではなくなっている。

 このような変化の中で、新しい仕事内容や新しい企業に必要とされる能力を身に着けるための教育、いわゆる「リカレント教育」の重要性が指摘されている。新しい環境に適応して十分に活躍をするためには、何らかの新たなスキルや知識を身に着ける必要があるという問題意識からだ。たとえ同じ企業で働き続けるにしても、その会社の中で十分に活躍するためには、スキルアップが重要であり、この点からも職業訓練やリカレント教育が必要となる。

 しかしながら、今まで長期雇用が前提で、能力開発を企業内教育や企業内訓練に頼ってきたために、職業訓練やリカレント教育の重要性は強く認識されているものの、どのような仕組み作りが必要なのかが十分に議論されておらず、皆が様子見に近い状態にあるのが現状であろう。そこで本号の「わたしの構想」では、具体的にどのような点に注目して仕組み作りをすることが大切なのか、何に着目し、仕組み作りのポイントとすれば良いのかについて、この分野について高い知見をお持ちの内外の専門家の方々にお話を伺った。

労使が参画し、新たなビジョンを反映せよ

 リカレント教育については、北欧の政策が先行事例として有名である。菅沼隆立教大学教授は、デンマークでの職業訓練プログラムについて、労使が共同で作成し、運営面でも民間の労働組合と経営者団体が参画している実態を説明している。職業訓練で新しい資格を習得すれば、待遇のよい職業に就くことができる点が日本と大きく異なるとして、日本の労使が、これからの日本の労働市場をどのように再編していくのか、新しい労使関係はどのようにあるべきなのか、ビジョンを共有できていない問題点を指摘している。

 ウルリカ・ヴィークルンドTRRビジネス・サービス部長は、スウェーデンにおいて再就職支援サービスを提供する非営利民間組織TRRが、どのようにして解雇やレイオフ対象者への移行支援を行っているか、その実態を説明している。本人が自律的にキャリア選択をできるよう、カウンセラーがアドバイスするとともに、求人情報とのマッチングや個人指導、学習プログラムの提供等を行っている。また最長2年の支援期間中、解雇前所得の70%の金銭援助に加えて教育に短期の補助金が出される等の充実したサービスが、労働協約に基づく保険料収入から成り立っている仕組みの説明もされている。

多様なニーズに対応、「学び」へのインセンティブ

 スキルズフューチャー・シンガポールのマイケル・ファン副最高経営責任者は、生涯学習に関してシンガポールが行っている意欲的な取り組みについて解説している。シンガポールでは、労働力の減少による人口の高齢化が深刻であり、教育・訓練システムを、一生を通じて多様なニーズに柔軟に対応できるものにする必要性が強調されている。その際にも、やはり政府、産業団体、労働組合等の複数の利害関係者による強力なパートナーシップが重要になる。また、シンガポール国立大学が始めた、4年間の学士号を取得した学生が、その後20年間、大学に戻ってスキルアップできる仕組み等、興味深い取り組みも紹介されている。

 一方、辰巳哲子リクルートワークス研究所主任研究員が指摘するように、日本では、まだまだ学習に投資する時間や金銭に見合った、効果やリターンが見えにくいという課題があり、これが社会人の学び・学び直しがなかなか進まない要因となっている。もっと実際の仕事で活用することに重点を置いた「アウトプット型」の職業訓練・リカレント教育にしていくこと、そして自分にどんな学びが必要なのか、学んだことをどう使えばよいのかを示して推薦してくれるようなサービスの必要性を提示している。

それぞれの地域・現場から取り組みを

 桐原武文茨城大学社会連携センター講師は、茨城大学が2019年度から始めたリカレント教育のプログラムを紹介している。そこでは地元企業や自治体と個別に調整しながら、ニーズに応じたカリキュラムを組み上げるコースが用意されていて、受講生から高い満足度を得ているという。大学が提供できる基礎的なものの見方や考え方を身に着けるニーズは大きいとして、自治体や地元企業と協働しながら、地域のニーズにあった基礎的な学びを、地域に根差した大学が提供することの重要性を指摘している。

5人の識者の意見 職業訓練・リカレント教育を実効性ある仕組みにするため、何が必要か

 このように日本では、どのような内容でどのような仕組みのリカレント教育を具体的に行っていけば良いか、まだまだ手探りに近い状態であるものの、その重要性はほとんどの人が否定しないだろう。ここで示されている内外の有意義な取り組みを参考にしながら、それぞれの現場で、必要とされるリカレント教育が、できるだけ早期に実現していくことを強く期待したい。

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職業訓練やリカレント教育の積極的な活用が進まないのはなぜか。実効性ある仕組みにするには、何が必要か。

政労使共同で作られる、デンマークの職業訓練プログラム

菅沼隆

立教大学経済学部教授

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フレクシキュリティー、労使の共同、労働者へのインセンティブ、日本的雇用慣行の行き詰まり、新しい労使関係のビジョン

 デンマークは、柔軟性の高い労働市場の整備(flexibility)と、社会保障による労働者保護(security)をセットにした「フレクシキュリティー」という政策をとっている。その中で特に重要な位置を占めるのが、実効性が高いとされるデンマークの職業訓練である。

 デンマークの特徴は労使共同で職業訓練プログラムを作成する点にある。労使の代表からなる政府の職業訓練審議会で、今後のデンマーク経済にとって必要な技能はどのようなものかを検討し、職業訓練の指針を常に見直している。その指針を受けて、地域の職業訓練校は、労働組合と経営者団体が共同して、職業訓練プログラムを作成する。このような仕組みにより、新しく必要な技能を発見し、それに相応しい能力の開発を効果的に行うことができる。

 労使共同は、職業訓練学校の運営にも貫かれている。職業訓練学校の多くは基礎自治体(コムーネ)が有する公立施設であるが、理事会には労使から役員が参加している。労使が共同で作成した訓練プログラムで習得された技能は、労働市場で公正に評価される。

 労働者にとっても、職業訓練で新しい資格を習得すれば、待遇のよい職業に就くことができるため、訓練を受講するインセンティブが強い。訓練の実績を賃金に反映させることが可能なのは、労働者のスキルや経験を客観的な指標で表して賃金を評価する職務分析を、労使で開発してきた歴史があるからである。また、訓練を受けている間は生活保障の手当てが支給されることも、労働者にとっては魅力となっている。

 これに対して、日本の職業訓練は、「民間活力」が重視され、民間の専門学校に委ねられる傾向が強く、労使が共同で社会的に必要な技能を開発していない。このため習得された技能が、労働市場でどのように評価されるのか不確実性が高い。また、公共職業訓練学校の規模は小さく、運営に労使の関与は弱い。このため訓練プログラムの更新頻度も少なく、経済社会の変化を先取りするような技能訓練が弱い。この根源は、日本の労使が、これからの日本の労働市場をどのように再編成していくのか、新しい労使関係はどのようにあるべきなのか、ビジョンを共有できていない点にある。年功序列、終身雇用、オン・ザ・ジョブ・トレーニングを基軸にしてきた日本的雇用慣行が行き詰まっていることは明らかである。労使共同で、どのような労使関係・どのような労働市場を構築していくのかを、大局的に議論することが望まれる。

識者が読者に推薦する1冊

菅沼隆〔2019〕「社会保障―普遍主義とフレクシキュリティ」『新・世界の社会福祉第3巻北欧』(デンマーク 第1章)旬報社

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職業訓練やリカレント教育の積極的な活用が進まないのはなぜか。実効性ある仕組みにするには、何が必要か。

自律的なキャリア選択に寄り添い、結果を出す

ウルリカ・ヴィークルンド

TRRビジネス・サービス部長

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再就職支援サービス、労使の労働協約、「鉄は熱いうちに打て」、カウンセリングの質、保険料収入よる活動資金

 スウェーデンの雇用保障協議会「TRR」は、解雇やレイオフの対象者向けに再就職支援サービスを提供する非営利の民間組織である。民間企業と労働組合との間の労働協約に基づき、約3万5,000社の民間企業で働くホワイトカラー労働者およそ95万人をカバーし、例年約1万3,000人の労働者のキャリア選択、再就職を支援している。

 TRRの強みは、労働者と企業の双方を支援していることだ。人員整理を予定する企業の人事部や経営陣と、早い段階で面談を行い、解雇の実施前から、対象者にキャリア移行の支援を開始する。「鉄は熱いうちに打て」を信条に、できる限り早い段階から人員整理に介入することが、スムーズな移行の要だ。

 移行支援の方法に決まった解はない。転職か、起業か、再教育か。これら3つの道の中から、各個人の希望を明らかにしながら支援していく。TRRのカウンセラーは、本人が主体的に自律したキャリア選択ができるよう、アドバイスに特化する。カウンセリングの質を維持するため、内部に「TRRアカデミー」を創設したほか、コーチング専門機関のICF(International Coach Federation、国際コーチ連盟)や、信頼と動機付けに関わるトレーニング専門機関のGREAT LEADERSと提携している。

 対象者は、最長2年の支援期間中、TRRに集まる求人情報とのマッチングだけでなく、多様なサービスが提供される。個人指導やガイダンスと並行し、ワークショップ、ウエビナー(ウエブセミナー)、学習プログラム、スキルを高めるアクティビティーなどの中から、自分のニーズや状況に合ったサービスを受ける。その間の経済的支援の充実ぶりも魅力だ。解雇前所得の70%の金銭援助に加え、教育には短期の補助金や政府のローンも用意され、経済的不安を小さくしている。

 これらの全てのサービスは、労働協約に基づく保険料収入から成り立っている。十分な資金があることが、TRRに力がある理由だ。90%以上の人が、支援開始後6か月以内に次の道が決まる。多くは前職と同程度か、より高い所得や地位を得て、利用者の満足度は高い。こうして得てきた「信頼」、「コミットメント」、「結果」がTRRの価値となっている。
*原文は英語版に掲載

識者が読者に推薦する1冊

Susan Fowler〔2014〕"Why Motivating People Doesn't Work ...and What Does : The New Science of Leading, Energizing, and Engaging" Berrett-Koehler Publishers

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職業訓練やリカレント教育の積極的な活用が進まないのはなぜか。実効性ある仕組みにするには、何が必要か。

第4次産業革命では、教育・訓練システムを「生涯学習モデル」にする必要がある

マイケル・ファン

スキルズフューチャー・シンガポール副最高経営責任者

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スキルの急速な変化、より長い就業、「生涯学習モデル」へのシフト、SkillsFuture、「4プラス20」モデル、利害関係者の強い連携

 働く人に必要な職務や仕事のスキルは、第4次産業革命で急速に変化し、職業人生を通じて約6回更新するとされる。とりわけ、労働力の減少による人口の高齢化が深刻なシンガポールでは、国民が長く就業できるよう、生涯学習や技能開発が重要だ。このため、教育・訓練システムを、一生を通じて多様なニーズに柔軟に適応できる「生涯学習モデル」にシフトさせる必要がある。

 SkillsFutureは、2014年からシンガポールが国を挙げて取り組んでいる運動だ。先進経済と包摂的社会を目指し、全ての国民のスキル、情熱、貢献を伸ばす。過去40年間の人材育成を基盤に、政府や高等教育機関、雇用主などが連携して「生涯学習モデル」を実現してきた。例えば、大学など高等教育機関では、短縮したモジュール式コースが用意され、データ分析、金融、テック・サービス、デジタルメディア、サイバーセキュリティー、起業家精神、先進製造業、都市ソリューションの8つの新興領域のスキルを、3段階の習熟度別に学べる。また、シンガポール国立大学が始めた「4プラス20」モデルは、4年間の学士号を取得した学生が、その後20年間、大学に戻ってスキルアップできる。コース料金の資金援助も用意されている。一方、25歳以上の国民なら誰でも、500シンガポールドル(日本円で約4万円相当)のクレジットが付与され、約2万ある教育・訓練コースに使用できる。

 国の調査でも、訓練参加率は年々上昇しており、コースへの参加者の8割が「訓練が自分の仕事に役立った」と考えている。成功している要因の1つは、基礎的なデジタルスキルを含めた、裾幅の広いスキル習得を促進していることだ。例えば、電子決済アプリなどのデジタルスキルの習熟の機会を、タクシー協会の協力を得て約1万人のタクシー運転手に提供した。もう1つの成功要因が、政府、産業団体、労働組合、企業、教育機関など、複数の利害関係者による強力なパートナーシップである。例えば、業界の変革に不可欠なスキルフレームワークの開発には企業が参加し、現在までに、航空宇宙、電子機器、金融サービス等のセクター向けに30を超えるスキルフレームワークが公開されている。

 訓練制度は、従前より機敏で柔軟、かつ革新的である必要がある。真に効果的な生涯学習システムは公共部門だけでは実現できない。関係者の強い連携が成功のカギを握る。生涯学習のパラダイムに向けたスキルエコシステムの構築に、誰もが積極的に参加すべきだ。
*原文は英語版に掲載

識者が読者に推薦する1冊

Gratton, L., & Scott, A. J.〔2016〕"The 100-Year Life : Living and Working in an Age of Longevity" Bloomsbury Publishing(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット〔2016〕『LIFE SHIFT』池村千秋訳、東洋経済新報社)

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職業訓練やリカレント教育の積極的な活用が進まないのはなぜか。実効性ある仕組みにするには、何が必要か。

「学び」を可視化する仕組みを根付かせる

辰巳哲子

リクルートワークス研究所主任研究員

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社会人の学び、学びへの投資に見合う効果・リターン、オーダーメイド型の学び、アウトプット型の学び

 日本で社会人の学び・学び直しが進まないのはなぜか。それは、ほとんどの人が、仕事の中で学びの効果を実感する場面が少ないからだ。IT技術者などを除くと、職業訓練・教育を受けることで就ける仕事が見つかったり、給与が上がったりするということもなく、学びに投資する時間や金銭に見合った、効果やリターンが見えづらい。

 1990年代までは、個人のキャリア形成は組織の中で行われることを前提としていた。しかし、現代は、「キャリア自律」という言葉に象徴されるように、個人のキャリアは個人が主体的につくることが強調されている。そうした時代のリカレント教育はどうあるべきだろうか。

 まず、日本では、一斉に同じスキルを獲得することを前提とした職業訓練やリカレント教育が多い。枠組みの多くは、あらかじめ学ぶ内容が決まっている「パッケージ型」で提供されている。それを、自分にとって必要なことを組み合わせて学ぶ「オーダーメイド型」にシフトさせる。また、多くは知識の習得に重点を置いた「インプット型」で提供されている。それを、実際の仕事で活用することに重点を置いた「アウトプット型」に変える。学びを矮小化して考えるのではなく、個人のニーズや目的に適合させていくことが必要だ。

 しかし、キャリア形成のために何を学べばよいか分からずにいる人もいるだろう。自分にどのような学びが必要か、学んだことをどう使うのかが分からなければ、オーダーメイド型やアウトプット型で学ぶことは難しい。過去の調査でも、「(自分が)何を学べばよいかが分かる」と答えている人は3割以下だった(注)。こうしたケースに対しては、例えばコーセラ(Coursera)のようなオンライン学習サービスですでに試行されているように、労働者の移動データの解析から、個人が次のステージに向かうための学びやキャリア展望を示し、推薦してくれるようなサービスを展開することはできないだろうか。

 日本でも、学ぶ内容や学び方、時間の選択肢にバリエーションを持たせ、学びとキャリアが結び付いていることを示せば、必要な学びを選択しやすくなるだろう。

(注)リクルートキャリア「働く喜び調査」(2017年)

識者が読者に推薦する1冊

佐藤学〔1999〕『学びの快楽 ダイアローグへ』世織書房

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職業訓練やリカレント教育の積極的な活用が進まないのはなぜか。実効性ある仕組みにするには、何が必要か。

地域のニーズに応じた学びを、大学が提供する

桐原武文

茨城大学社会連携センター講師

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リカレント教育、大学・自治体・地元企業の協働、カスタムされた学び、学問へのニーズ、キャリアアップにつながる学び

 茨城大学では、2019年度から、リカレント教育を開始した。その際、目指すべき社会人教育のあり方について、大学、企業、地方公共団体の3者が意見交換する場である「いばらき社会人リカレント教育懇談会」を設置し、地域の意見を学習プログラムに反映する仕組みを作った。

 社会人向けの学び直しの教育として、従来型の公開講座を主とした「オープンコース」、環境や多文化理解といった特定のテーマや自治体などの施策に基づいたテーマを設定している「専門コース」、そして個別に内容を作る「カスタムコース」の3つを設置している。このうちカスタムコースは、地元企業や自治体と個別に調整しながらニーズに応じたカリキュラムを組み上げるというものだ。大学が提供できることを理解してもらった上で、カスタムされた学びの場を提供しているため、受講生から高い満足度を得ている。

 例えば地域の総合商社である関彰商事に提供したカスタムコースは、事前に、同社の課題や戦略などを丁寧にヒアリングし、ビジネスを展開する地域やマーケットについて把握する手段を学ぶなど、幅広い内容となった。コンサルタントが提供するような、目的を限定したハウツーの実務研修ではなく、学問を通して自ら考える習慣を根付かせる狙いがある。

 3つのいずれのコースであれ、大学が提供できる基礎的なものの見方や考え方を身に着けるというニーズは、潜在的に多いと感じている。受講生が求めているのは、仕事から離れた趣味のようなものではなく、かといって資格取得や転職、再就職のためでもない、現在の自分の仕事のキャリアアップにつながる学びだ。例えば、技術系の管理職に就いている企業の方が、管理者として必要なマネジメントに役立つであろう経営学等を知識として体系的に習得したいという目的で受講していたケースもあった。大学はそうしたニーズに、幅広い科目を提示して応えていける。受講生からは、「学ぶことを通して働き方が変わった」、「職場内の協働の質が上がった」、「時間の使い方が変わってライフワークバランスが向上した」といった声をいただいている。

 地域に根差した大学の役割の1つは、リカレント教育を通じて、自治体や地元企業と協働しながら、地域のニーズにあった基礎的な学びを提供することだと考えている。行政や産業界と力を合わせ、将来の茨城県を背負っていく人材の育成を目指している。

識者が読者に推薦する1冊

西野由希子・安江健・桐原武文・矢内結香〔2019〕「特別寄稿「茨城大学リカレント教育プログラム」の取組」『文部科学教育通信』No.474

引用を行う際には、以下を参考に出典の明記をお願いいたします。
(出典)NIRA総合研究開発機構(2021)「職業訓練・リカレント教育を「生涯学習」に位置づけよ」わたしの構想No.52

データで見る

  • 各国の労働市場政策への公的支出(2017年、対GDP比)

    注)「積極的措置」の「その他」の内訳は、「雇用インセンティブ」「保護及び援助雇用とリハビリテーション」「直接的雇用創出」「創業インセンティブ」。「消極的措置」の内訳は、「失業または無業所得の補助・支援」「早期退職」。各項目の少数点第3位以下が処理されているため、内訳を合算しても、計(A)・合計の数値とは一致しない。
    出所) OECD.Stat(2017)、Public expenditure and participant stocks on LMP(2021年1月19日アクセス)を元に作成。

    付表

  • 各国の「仕事に関連した学習」の参加率
    (2012年)

    注)「仕事に関連した学習」は、仕事への貢献を目的とした成人による学習全般を示す。OJTやワークショップ・セミナーなども含まれる。表は10か国を抜粋。*は2015年。
    出所)Richard Desjardin(2020)OECD Education Working Papers No.223 “PIAAC Thematic Review on Adult Learning” 数値はSurvey of Adult Skills(PIAAC)(2012, 2015)Databaseのもの。

    付表

  • スウェーデンTRRの再就職支援サービス:利用者数の推移

    注)「支援サービスの利用を開始した人」の中で、過去にもTRRの支援を受けたことのある人は、平均で年14%程度。
    出所)TRRより提供。

    付表

  • シンガポールの職業訓練の参加率と平均日数(2019年)

    注)国が毎年シンガポール市民と永住権を持つ在住者を対象に実施しているアンケート調査。2019年は1,767人が回答。「職業別の訓練参加率」は、1年間に仕事に関連する訓練を受けた人の割合。「平均参加日数」は、受講者当たりの平均訓練日数に訓練参加率を乗じて算出。「個人事業主など」の原語は、「Working Proprietors」。「全体の参加率」には、農林水産業従事者も含まれる。
    出所) Supplementary Survey on Adult Training, Manpower Research & Statistics Department, MOM( 2021年1月13日アクセス)を元に作成。

    付表

ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構
編集:神田玲子、榊麻衣子、北島あゆみ、山路達也
※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp

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