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RESEARCH研究テーマ

日本経済と持続可能な成長

少子高齢化の水準や政府債務の規模において、日本は「課題先進国」だ。課題「解決」先進国へ転じ、持続可能な経済社会を実現すべく、課題解決の必要性やスピード感の認識を共有し、リスクを顕在化させないための政策運営を研究する。

フリーワーカーに対する環境整備が必要

多様化するフリーワーカーの中には、クラウドワーカーのように実質的には雇用された労働者と同じ働き方でありながら、労働法で保護されない人がいる。経済理論からは、雇用の短期化がフリーワーカーをより深刻な状況に陥れる可能性も示された。しかし、フリーワーカーに雇用労働者と同じ制度を適用すると、自由な裁量を利用して過剰に保護を受けるモラルハザードの懸念が生じる。フリーワーカーの団体交渉も視野に入れたルール作りを考える必要がある。

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認知症の人が自分らしく生きる社会に

高齢化の進展に伴い、認知症の人が増加している。認知症になっても1人の人間として尊重され、その人がその人らしく暮らし続けられる社会でありたい。2025年には、団塊の世代すべてが後期高齢者の年齢に達する。早急の取り組みが必要だ。いまの社会に、その準備は整っているだろうか。急増する認知症の人と共に生きていくために、どのような整備が必要か、専門家に問う。

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整合性のある政策論議を

現在、日本は低成長と人口減少という新たなフェーズへゆるやかに移行している。この転換期を乗り越えるためには、整合性のある政策が必要だ。しかし、政府が公表している経済財政試算は期間や前提が体系化されておらず、一貫性があるとは言い難い。そこでNIRA総研は、政府の経済前提を用いて、将来の財政状況を試算した。その結果、政府の債務残高は上昇を続け、今の政策では、財政の持続可能性は十分に確保されていないことが明らかとなった。

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医療保険者による病気予防・健康づくりの実態

生活習慣病の予防を目的として行う特定健康診査・特定保健指導の保険者別の実施率が初めて公表された。特定健診は国保の実施率の方が健保より低く、また被扶養者の実施率が低いなど保険者間のばらつきが浮き彫りになった。個々の保険者の意識向上が課題だ。国民全体の健康増進を図るためには、保険者の予防への取り組みに対するインセンティブ付与や予防医療を担う保健師等の専門人材の配置など、保険者機能が一層発揮される工夫が望まれる。

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令和改革

30年ぶりに新元号が施行となり、令和の時代が始まった。新時代を考えると、不安定化する国際情勢、少子高齢社会の一層の進展、衰退する地方都市など、これからの日本を取り巻く状況は厳しいといわざるを得ない。この機会に、新しい時代の課題をあらためて整理し直し、向こう20年を視野に、日本が直面する重要課題は何か、その課題に対してどう行動していくべきなのかを問う。

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「フリーワーカー」に対する法政策はどうあるべきか

AIやロボットが人間の仕事を奪うようになっても、創造性が必要な仕事は人間に残され、「フリーワーカー」としてその能力を発揮する人材の需要は高まるのではないか。こうした予測に端を発し、企業に属さず場所や時間を自由に選択する働き方を法的に検討した。フリーワーカーは労働法の対象外だが、疾病により収入が途絶えるなどの経済リスクは自己責任で放置するのではなく、働き方に中立な制度へ再編する必要があるのではないか、議論すべきだ。

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財政と金融の協調

財政政策と金融政策には、金融政策が財政政策を支配するスキームと財政政策が金融政策を支配するスキームがある。前者は適切で、後者は大惨事に至る。前者から後者に移行する境界点がある事を前提に、金融の積極緩和のメリットとデメリットをシミュレーションで示した。現在の財政と金融の協調は「財政規律を遵守する政府」と「物価安定を目指す独立した中央政府」を基礎に成立し適切な政策枠組だが、枠組が変更されれば状況が一変するリスクがある。

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日本の「ユニコーン」不足はバッドニュースか?

日本にはユニコーン企業が少ないと言われている。これはスタートアップのエコシステムが発展していないことを示しているのだろうか。たしかに、アメリカと比べるとベンチャーキャピタルの投資規模は小さい。しかし、日本には2つの小型株市場があるため、ユニコーンになる前に上場する環境が整備されていると言える。一方で、大規模な株式公開も目指せる体制にもある。スタートアップエコシステムは大きく進歩しているのだ。

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日本がもし100人の村だったら

2016年現在の日本の人口を100人とすると、25年後の2041年には87人に減少する。さらにこの期間、日本は人口の減少に加えて、大幅な年齢構成の変化にも直面することとなる。本冊子では、日本の経済・社会の現状をわかりやすく一目で理解することを目的とし、インフォグラフィックスを活用して「100人の村」という形で表現した。経済の現状、所得や分配の状況、人口構造の変化とその影響、社会保障の現状と将来像をビジュアルで俯瞰できる。

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金融政策はジレンマを乗り越えられるか

現在の金融政策運営は2%物価安定目標の道半ばであり、さらなる緩和による副作用への懸念を強める一方で、急な緩和正常化は景気回復の遅れに繋がるというジレンマに陥っている。しかしこの状況下でも、経済の実力が高まれば緩和のメリット(景気刺激効果)が強まり、副作用は相対的に和らぐことになる。均衡利子率の推計を通じて、日本経済の実力は高まっており、金融緩和のメリットが今後増大することが予測される。

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