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RESEARCH研究テーマ

地域経済と市民社会

地域経済と市民社会

地域では人口が減少し、労働力不足が深刻化している。人々が誇りや安心を感じられる社会を再設計するにはどうすればよいのか。地域経済を活性化させ、豊かな生活を実現するための方策について研究する。

人口減少時代における国と地方の再設計

人口減少時代における国と地方の再設計

地方分権改革から30年。権限移譲は進んだが、国の関与はなお根強い。人口減少に直面する地方自治体には、地元資本を活用した官民連携による持続的な収益モデルの構築、外国人の受け入れや地域人材の育成など、行政サービスの再設計が欠かせない。多様な主体が自由にアイデアを出せる土壌と財源を整え、主体性と説明責任の下で試行錯誤できる制度へ移行する。それこそが、行政・民間・住民が力を合わせ、地域の特色を生かした持続可能な社会を築くための出発点だ。

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山のあなたに「幸」は住むのか?第2章 スウェーデン―すべての人のwell-beingを目指す包摂型社会―

山のあなたに「幸」は住むのか?第2章 スウェーデン―すべての人のwell-beingを目指す包摂型社会―

「国民の家(Folkhemmet)」の理念を基に、100年にわたり階級差の撤廃と包摂型社会の実現を目指して発展してきたスウェーデン。その社会の特徴として、参加型の平等社会、尊厳ある共生社会、子どもの権利重視、環境との調和の4つが挙げられる。1970年代以降、個人別課税や男性の育児休業導入などにより男女平等を推進し、主権者教育やエビデンスに基づく政策形成が民主主義と挑戦文化を支えてきた。難民・移民の統合や再挑戦を可能にする仕組みも整備され、人々に安心と満足をもたらしている。日本の社会や政策課題を考える上で、スウェーデンの事例は重要な示唆を与えるものだ。

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山のあなたに「幸」は住むのか?第1章 日本人は「不幸せ」なのか―国際指標を読み解く―

山のあなたに「幸」は住むのか?第1章 日本人は「不幸せ」なのか―国際指標を読み解く―

日本は長寿や治安、食文化や自然環境に恵まれている一方で、国際的な幸福度調査での順位は高くない。その背景には、欧米中心の評価項目や日本人の謙虚な回答傾向にあると考えられる。また、GDPなどの経済指標だけでは幸福度を説明できず、社会的つながりや精神的健康、ワークライフバランスといった要因もウェルビーイングには重要となる。ランキングの文化的背景に留意しながら、日本の現状を踏まえた課題を検討し、労働環境改善や賃金引き上げ、社会参画促進を通じて多様な幸福を尊重する社会づくりが求められる。

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山のあなたに「幸」は住むのか?第5章 日本人は「幸せ」なのか―「みんなのほんとうのさいわい」とは―

山のあなたに「幸」は住むのか?第5章 日本人は「幸せ」なのか―「みんなのほんとうのさいわい」とは―

「何を幸福と考えるのか」をめぐっては、国や地域よってとらえ方に違いがあるのではないか。日本人は、個人の幸福追求といった西洋由来の幸せよりも、周囲との調和を重視する「協調的幸福感」を志向することが複数の研究で実証されている。他者との関係性や調和を基盤に、自分だけでなく周囲と共に幸せを感じる傾向がある。しかし、近年は、「孤立」や「孤食」が増加しており、人々の幸福感が低下していることが明らかとなっている。日本の幸福観の本質とはなにか。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が示した他者と分かち合う営みとしての幸福に触れながら、再検討する。

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人口減少時代、国と地方の財政の新たな役割分担とは

人口減少時代、国と地方の財政の新たな役割分担とは

人口減少時代における国と地方の役割と財政責任のあり方について、持続可能な制度設計を提案する。基本的な方向性として、国は標準的な公共サービスの責任を持ち、その財源を全額保障する一方、地方自治体は上乗せ・独自サービスに限定的責任を負う(限界的財政責任)べきである。財政調整、義務教育、社会保障、デジタル化の各分野に焦点を当て、財源の配分と役割分担の明確化、国と地方との協議制度の実質化、地域間格差の是正と官民連携の強化を通じた改革の方向性を提示する。

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災害支援にソーシャルキャピタルは不可欠か

災害支援にソーシャルキャピタルは不可欠か

災害支援において、ソーシャルキャピタルは不可欠なのか。能登半島地震では、従来の寄付やボランティアに加え、ふるさと納税やクラウドファンディング、観光など、新たな形の民間支援が多様な広がりを見せた。調査によると、従来の寄付はソーシャルキャピタルの意識が高い人の方が積極的な傾向があるが、新しい支援ではそうした傾向が見られなかった。民間支援の活性化には、支援手段の多様化と、自己利益と社会貢献を両立するインセンティブ設計が鍵を握る。

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地方分権改革の30年を振り返る

地方分権改革の30年を振り返る

地方分権改革が始まってから30年になる。自治体の自主性、自立性が着実に大きくなっているという意見がある一方、コロナ禍などの緊急時対応やDXなどにおいてむしろ国の役割を強化すべきという主張や、個別法令や計画策定などを通じて、実質的に国のコントロールが残っていることを問題視する考えもある。議論の焦点は、国と自治体の役割分担をいかに再定義し、その上で両者の関係をより円滑なものにしていくかにあるだろう。

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日本の教育格差と「平等神話」

日本の教育格差と「平等神話」

SDGsの1つに「質の高い教育をみんなに」がある。教育によって貧困の連鎖を断ち切り、不平等を是正することができる。日本の義務教育は整備されているが、国民に等しく質の高い教育機会が与えられているだろうか。家庭環境が理由で塾などに通えない子どもや、学校生活になじめずに教育機会を逸 してしまう子どももいる。教育格差の現状とその背景は何か。学校教育はどうあるべきか。専門家に聞いた。

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「長期思考」は未来を変える

「長期思考」は未来を変える

人類は、今を考える「短期思考」と、将来世代を視野に入れる「長期思考」をうまく使って繁栄してきた。しかし、現代世界を覆うのは極端な短期思考といわざるを得ない。累積する財政赤字の将来世代への影響や、日々排出する温室効果ガスが地球に与える破壊的な影響について、想像すらつかなくなっている。長期思考で、社会はどう変わるのか。長期思考にシフトするには、何が必要なのか。長期思考の重要性を唱える識者に聞いた。

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デジタル化時代の地域力

デジタル化時代の地域力

デジタル化を通じて、いかに地域の住民に自らの地域を自らの手でつくり出す力を付与することができるか。この課題を考えるために、4名の方にインタビューを行った。バルセロナのDecidimという取り組みや、DXの本質が「ユーザー中心」にあるという指摘は、日本社会におけるデジタル化推進のヒントとなる。デジタル民主主義には様々な課題もあるが、デジタル化による負の側面を乗り越えつつ、新たな民主主義の可能性と地域力の発展にDXを活用すべきである。

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