2025.07.24 市民参加 NIRAオピニオン No.84 伝わる政策、信頼できる政府をつくる 谷口将紀 政府が発信する情報が十分伝わらず、政策への誤解や政治不信を招くケースがある。政策の複雑さを包み隠さず、率直かつ丁寧に議論し、それを戦略的に届ける発信のデザイン力が不可欠だ。デジタル技術を活用し、政治家の発言や政策を検証可能にする仕組みや、ブロードリスニングにより人々が政策形成に参加していると実感できる環境づくりも求められる。良質な情報空間での議論と熟議を経た意見形成が、政治への信頼を回復し、民主主義の基盤を強化する鍵だ。 詳細を見る
2025.07.18 市民参加 研究報告書 第3回政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)(速報) NIRA総研 NIRA総合研究開発機構は、第3回目の「政治・経済・社会に関する意識調査(NIRA基本調査)」を実施し、政治・経済・社会に関する人々の意識を調査した。ポピュリスト志向を持つ人、日本経済の状況を「悪くなっている」と回答した人、現在の生活に不満な人がいずれも昨年から増加していること、半数以上の人が在留外国人の増加によって治安が悪くなると考えていることなどが明らかになった。 詳細を見る
2025.07.15 市民参加 NIRAオピニオン No.83 「理」と「情」に訴える情報発信 谷口将紀 人々が政治をより信頼し、不人気な政策でも納得するような情報発信とはどのようなものか。政策に対する人々の考え方は、政策についての情報を適切に取捨選択し、得た情報をもとに是々非々で合理的な判断を下すという、「理」の側面だけで形成されているわけではない。情報発信の際には、政策が形成されるまでのストーリーなど、政策に関する「ナラティブ」を政策とセットで伝え、「情」にも訴えかける必要がある。 詳細を見る
2025.05.15 市民参加 研究報告書 コロナ禍の経験から何を学ぶか 宇野重規 重田園江 渡辺靖 NIRA総研 コロナ禍は、人々の行動の自由はどこまで制約できるのかという根本的な問いに対し、社会的な合意が必要があることを明らかにした。行政は、国民の反応を注視しながら政策運営を行うが、人々の意識は、科学的知見に基づいている必要がある。しかし現実には、メディアが発信する情報や、精神主義といった「日本人の思考の癖」によって左右されることも多い。各分野の専門家による考察は、次のパンデミックに備えるために何をすべきかを示唆している。 詳細を見る
2025.03.13 市民参加 研究報告書 AIは民主主義を深化させるか?〔Ⅱ〕 谷口将紀 竹中勇貴 政治的な議論の場に生成AIは活用できるのか。北海道東神楽町におけるChatGPTを使った住民ワークショップから見えてきたのは、参加者が生成AIのアウトプットを見ることによって、自らの発想・アイディアを発展させることができるという効果であった。同時に、生成AIは「地域の雰囲気」のような言語化しにくい政策知識を扱うことは得意ではないなど、課題もある。本報告書では、生成AIの可能性、リスク、そしてリスクを踏まえて実践すべきことをまとめている。 詳細を見る
2025.02.20 地域経済市民参加自治行政 NIRAオピニオン No.79 災害支援にソーシャルキャピタルは不可欠か 大久保敏弘 災害支援において、ソーシャルキャピタルは不可欠なのか。能登半島地震では、従来の寄付やボランティアに加え、ふるさと納税やクラウドファンディング、観光など、新たな形の民間支援が多様な広がりを見せた。調査によると、従来の寄付はソーシャルキャピタルの意識が高い人の方が積極的な傾向があるが、新しい支援ではそうした傾向が見られなかった。民間支援の活性化には、支援手段の多様化と、自己利益と社会貢献を両立するインセンティブ設計が鍵を握る。 詳細を見る
2024.11.26 市民参加 研究報告書 若者発:東神楽町2050ビジョン NIRA総研 住民が地域の課題を議論する際に、AIを活用することの可能性や限界はどこにあるのか。NIRA総研は、北海道東神楽町において住民ワークショップを開催し、そこで若者がChatGPTを使って議論した内容を町への提言としてまとめた。ワークショップの結果、ChatGPTは住民が元々持っている問題意識やアイディアを発展させるためのツールとして、有効に活用できる可能性があることが分かった。後日、プロジェクト全体を通じて明らかになった知見を取りまとめた報告書も公開する予定である。 詳細を見る
2024.06.18 市民参加 政策研究ノート vol.5 あれから75年―宇田川潤四郎の家庭裁判所への想い― 宇田川淑恵 朝ドラ「虎に翼」で、強烈な個性が目を引く多岐川幸四郎は、家庭裁判所創設に並々ならぬ情熱を注いだ。そこまでの情熱をかけて、何を守ろうとしていたのか。多岐川のモデルとなったのは、私の祖父、宇田川潤四郎(1907~1970)である。祖父が最も大切にしていた「個人の尊厳」の視点から、家裁発足当時と今を振り返る。 詳細を見る
2024.05.30 市民参加 論文 ワーキングペーパーNo.10 ポピュリスト態度に関する基礎的分析 谷口将紀 ポピュリストを志向する人はどのような性質や考えを持っているのだろうか。本稿の分析から、政治的有効性感覚や政治家への信頼度は低いが、逆に政治への関心は高いことがわかった。ポピュリスト志向とは政治的疎外の単なる言い換えではない。エリートに対して不信を強め、政治への効力感を減じつつも、一般の人びとを代弁してくれる新たなリーダーの出現に望みを託している点では政治関心を失ってはいない人びとである。 詳細を見る
2024.05.14 市民参加 論文 NIRAワーキングペーパーNo.8 政治不信と「ズルさ」の感覚 渡部春佳 日本の政治不信にはどのような特徴があるのか。NIRA基本調査をもとに、政治不信の内包する「ズルさ」の感覚と、政治的有効感覚や政策選好との関連を明らかにした。「ズルさ」を感じやすい人ほど、政府への信頼が低く、低負担低福祉の社会を求めていた。その一方で、一定の高負担高福祉を求める意見もあった。その背景として「ズルさ」に敏感で、かつ階層意識が低い人ほど、格差是正を求めており、政府への不信と同時に期待も抱いていることが明らかとなった。 詳細を見る